2016年01月14日

やっと冬?

クリスマスも雪はなく、お正月も雪はなく、全く季節感のない1月スタートでした。連日暖かく、10℃越の日が続くと雪かきのない毎日が楽だけどもなんだか不気味な感じすらします。卒業シーズンの3月下旬より暖かくて、隣の市に買い物に出かけたら、上着も着てない人や夏用クロックスの人がいて驚きました。

今朝はうっすら雪が残っていました。夜に降ったようです。幾分寒い中雪が舞い、山にも雪が降りかけられた感じはようやく冬始まりの雰囲気です。
でも、これで去年のようなどか雪が降ると嫌になるんだろうな。

ところで、今気になるのは秋に狂い咲きした桜は春はもう咲かないのだろうか?ということ。近所で咲いた桜は満開でもなくさみしい咲き方だった。今は枯れた花が木に残っているように遠目には見えた。満開になるのか、暖かくなって葉が出るのか見に行ってみようと思っています。
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2015年07月28日

鳩の卵のスープ

『細雪』で気になること。四女妙子の奢りで次女幸子、その娘の悦子、三女雪子で南京町の東雅楼で広東料理を食べるシーンがある。そのメニューは「悦子の好きな蝦の巻揚げ、鳩の卵のスープ、幸子の好きな鶩の皮を焼いたのを味噌や葱と一緒に餅の皮に包んで食べる料理」だった。「鶩の皮を焼いたのを...」はいわゆる北京ダックのことだと思うが、広東料理とのことなので、広東ダックが正解なのかもしれない。皮を食べるとあるから、肉は食べないのかもしれない。残念ながら、わたしは北京ダックを一度も食べたことはない。知っているだけ。あまりに有名なので、なんだか食べたことがあるような気がするものの、なかったはず...。南京町では食べたことがないのは確実だが、大昔に横浜行ったときは...やっぱり食べなかった気がする。「蝦の巻揚げ」は検索してみると、蝦をライスペーパーで巻いて挙げた春巻きのよう。問題は「鳩の卵のスープ」。これが謎料理。東雅楼というお店は実在したのかどうかは不明で、鳩の卵のスープも一般的な中華料理ではないようで、検索してみても出てこない。好吃!点心料理!によると、鳩の卵は高級品で、普通茹で卵にして付け合わせにするとのこと。茹でた鳩の卵の白身は透明で食感はもちもちしているそうだ。初めて知りました。昭和10年代に神戸の南京町にはこんな料理をだす「一膳飯屋」があったのだろうと思う。北京ダックといい、鳩の卵のスープといい、本格的な高級料理の気がする。神戸の南京町で食べれるところはあれば、この三品を食べたいな。
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2015年07月25日

『細雪』

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たぶん2、3年前にいつか読むかもと、実家の物置から拾ってきた文学全集の中の一冊。ぼろい。褪せてる。いかにも日本語、日本文学という本が読みたくて、出したら『細雪』でした。恥ずかしながらタイトルと作者が一致するくらいで未読、内容も全然知らなかった。最初のページで分かる大阪弁。神戸や六甲という地名から、物語は関西だと分かる。なんとなく読み始めたら、これがもう凄い面白い! 長編で実在の地名や店名、持ち物の詳細な描写、昭和10年代の裕福な家族の生活の様子に引き込まれていく。一番の読みどころは、登場人物が人間関係について、印象や行動から思い悩んだり、考えを巡らせたりするところだと思う。

細かく描写された様々なものは、用語を拾い出して見たくなるし、実際の地名を見ては地図を見たくなる。一週間位かけて読了したのだけど、最初から細かく読み直したくなっています。


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2014年12月07日

またまた

昨日雪が降ったので、雪かきしている間に猫が家出しました。一日半帰って来てません。いつも鍵かけているのに、家の周りの雪かきで、子どもが家にいて油断しました。早く帰って来ますように......。
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2014年05月20日

『ポースケ』

ポースケ
津村 記久子
中央公論新社 ( 2013-12-09 )
ISBN: 9784120045752


『ポトスライムの舟』続編。ヨシカのカフェに集う人物たちの日常、悩み、想いが連作短編として綴られている。タイトルの「ポースケ」ってどういう意味?と惹かれるものがあり、この「ポースケ」がラストに繋がって行く様子もいい。

『ポトスライムの舟』ではナガセに焦点が当てられていたが、こちらはナガセについてはあまり語られない。同級生として出てきたヨシカの「カフェ」が中心になっている。同一地点を巡る人物たちのそれぞれと触れ合い、すれ違いという書き方は津村さんの小説には多くて、この書き方は好き。今回、舞台は奈良だけど、途中の難波の描写は懐かしくもあつつ、距離、雰囲気、ともにわかる感じが個人的に気に入った。久々にヒロタのシュークリーム、思い出したよ。


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2013年03月30日

殊能将之氏死去

ミステリー作家、殊能将之氏が先月亡くなられていたとのニュースを読みました。ご冥福をお祈りいたします。

たまたまYahooを開いたら、検索上昇わーどに上がっていたので、新作がでたのかと思ったのですが、亡くなられたとのことで、本当に残念です。「ハサミ男」も「鏡の中は日曜日」は衝撃!という作品でした。最後までわからず、仕掛けの巧妙さに騙されました。あの感覚はなかなか味わえないと思います。


作品を読み直そうと思っています。

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2013年01月20日

『ポトスライムの舟』

ポトスライムの舟
津村 記久子
講談社 ( 2009-02-05 )
ISBN: 9784062152877



 第140回芥川賞受賞作だと、図書館の方が見開きに貼ってくれていた帯の切り抜きで知りました。表紙とタイトルとに惹かれて読み始めたところ、期待を裏切らない素敵な作品。


 主人公は普段工場に勤務し、パソコン講師と友人のカフェを手伝い生計を立てている。古い奈良の家に母親と住み、約しく暮らしている。以前、上司からモラハラを受けて会社を辞めた後、働くことに恐怖を感じて過ごしたという。そんなナガセが工場で目にしたポスターが、世界一周旅行の案内。料金はナガセの工場勤務の一年分とほぼ等しい。この旅行を目標にと、自分自身を奮い立たせつつ、仕事をするナガセのもとに、学生時代の友人親子が夫婦の不仲を理由に身を寄せ……。


 この小説は、逆境からの逆転でもなく、世界一周旅行へ旅立つわけでもなく、静かに生きている人々を描いている。その、日常に共感し、なんとか毎日生きてるな、わたしも生きてるな、って想う小説です。楽しくなるとか、ハラハラドキドキの展開ではなく、ただほっとする。そうだよね、って思う、その心の昇華が得られる感じ。

(略)生きていること自体に吐き気がしてくる。時間を売って得た金で、食べ物や電気やガスなどのエネルギーを細々と買い、なんとか生き長らえているという自分の生の頼りなさに。それを続けなければいけないということに。P12

 
 毎日、面白おかしく生きてるわけじゃなくて、なんとか生きてるという、その「生き方」に共感しつつ、日々の出費を気にしつつ、毎日を生きてるその描写に惹かれました。


 表題作のほか、「十二月の窓辺」を収録。モラハラを上司から受ける女性の描写が痛々しく感じられる。些細なことを咎められ、あげつらわれ、挙げ句の果て、辞めても無駄だ、どの会社も受け入れる筈はないといても辞めても自分はだめなのかと、自身を全否定される。ラストでこの人格否定から逃れることができるのだが、その場面に共感するというか、自分はだめな人間ではない、と気づける気がする。周りを変えることはできなくても、自分が動いて変わることができる、と思うのでした。


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2012年05月18日

『東京難民』

東京難民
福澤 徹三
光文社 ( 2011-05-19 )
ISBN: 9784334927523


 嫌な物語を読んだ。ごく普通の仕送り大学生が、ある日突然学費の支払いが滞っていることを知らされ、両親の蒸発を知り、大学を除籍に。アパートを追い出され、徐々に転落していく物語。

 実際にこういういことはあるのかもしれない、と思うその現実感がとても怖い。何とかお金を稼ぐために見つけた仕事は胡散臭く、仕事にあわせた生活などを垣間見るのは興味深く感じた。主人公は最初、ただただ無知で甘く、嫌な印象があったものの、アルバイトを通して少しずついいやつかも?と思えてくる。ただ、長いものに巻かれろじゃないけど、どっぷりその世界(ティッシュ配り、ホスト、日雇いなど)に浸かってそこで生活したら、とちょっと思ってしまった自分が嫌になる。こういう状況だったら、諦めてその世界で何とか生きて行こうと思ってしまいそうで……それでも、主人公は「これって、いいのか?」と自問自答するあたりが「いいやつ」の気がする。そのため、その世界からは抜けて、もっと過酷な世界へ落ちていくのでもあるけども。ああ、こうなったら嫌だ〜と思いながら、最終的にどうなるか一気に読んでしまった。
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2012年02月22日

最近読んでる本、覚書

 このごろ東野圭吾さんの本を続けて読んでいます。自分で購入したものではなく、父が読み終わったものをもらってきたものです。その中でも面白かったのは『マスカレードホテル』と『パラドックス13』。

『マスカレードホテル』ある高級ホテルで殺人が起こるらしいということを突き止めた警察が、ホテルに従業員として潜入捜査することにした。ホテルマンに扮した警官と敏腕女性従業員のやりとりを通して描かれるホテルの内情が面白い。怪しい人物をあくまでお客として扱いながらも事件との関連を探る様子など、臨場感がある作品。これは連続ドラマになりそう、と思う雰囲気があった。

『パラドックス13』これは怖い小説だと思う。今年の震災を彷彿とさせるような描写が多々ある。主人公を始めとする登場人物数名が巻き込まれた何らかの現象「パラドックス13」によってとばされた別の東京は、人間が消え、地震が起こる世界。これまで動かしていた人間が消えた世界は事故や災害が頻発している。缶詰などの食料品を調達しつつ、この世界を探ろうとする主人公達。ラストに行き着くまでに、もし実際にこういう世界に放り出されたらと思うと、恐ろしくてたまらない。サバイバル生活を送ろうにも、地震によって地形が変化し、瓦礫や事故車などでふさがれた土地で、どのように行きぬけるのか見当がつかない。このままここで生きねばいけなくなったら、と考えるのも気が滅入る。死んでしまったほうが楽と考える登場人物もいるのも分かる気がする。

 そのほか、バブル時代の描写を読むのが結構楽しい『あの頃の誰か』や確かに人が死んでいるのだけど、その理由に哀しさを感じる作品群という感じの『犯人のいない殺人の夜』もさらっと読めて面白かったです。

 どれもさらさらっと読めて、はずれは少ないと思います。




パラドックス13
東野 圭吾 / 毎日新聞社 ( 2009-04-15 )





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2012年01月08日

『終わり続ける世界の中で』



 昨年末に読んだ本。主人公と同時代を生きていたからか、物凄く共感しながら読みました。70年代後半から流行っていた「ノストラダムスの大予言」を信じはじめた子ども時代。中学、高校、大学へと進んでいくその日々の中で、予言の通りなら30歳で死んでしまうかもしれない。自分はどう生きていくか? 人間はどう生きているのか?と問いながら主人公が描写されています。「ノストラダムス」は主人公に奇妙な形で影響し続けますが、実際の同時代の社会現象などを交えて、こういう人生がわたしにもあったかもしれない、と思わせ、そして自分がその時どう生きていたか、と改めて思い起こしつつ考えさせられる本でした。
 「人間は自分のしたいことしかしない」と語る先輩の言葉が残っています。そうなのか、そうでないのか、だったら――。自分が生きていることについて、本当のところどうなんだろう?と絶えず考えながら読んでいました。

 少し時間を置いてまた読み直したい本です。
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2011年08月13日

『オルゴォル』

オルゴォル
朱川 湊人
講談社 ( 2010-10-08 )
ISBN: 9784062165693


 素直に「いい物語だなあ」と思いました。嫌味な感じが無く、現代的な問題から戦争まで扱っているのに、感動の押し売りとか、涙なしには読めないとか、教育的とか、そういう陳腐な仕上がりでではなく、「面白い」物語というのが先にあって、それでいて「いい話」です。朱川湊人さん、好きなのですが、「少し不思議な感じ」はなく、ちょっと違うけどもベスト3には入る話。今までで一番かも?とも思います。

 主人公は典型的な現代っ子で、その場の雰囲気に合わせてみんながふざければふざけたり、もらったお金でゲーム機を買ってしまったりするのですが、それでも子どもには可能性があり、変化するしまじめに捉えることもできるという、その成長もいい感じです。離婚、給食費未払いから始まり、老人の独居と死、実際に起こった事故、災害などに触れ、そうした事故は遠い出来事ではなく、そこに関わった人々、その家族があるんだという、自分とは無関係と思っていた世界へ考えを広めていく、という内容でしょうか。近所の老人から託された「オルゴォル」を届けるということから、広がっていく世界がとても面白く、興味深く。少年ハヤトは決して善意からオルゴォルを届ける約束をしたのではないあたりにも、リアリティを感じます。大阪が出てくるあたり、親近感が沸きました。

 凄くいい話で嫌味な感動は無いので娘に読ませたいと思ったものの、どうも「お母さんの勧める本は趣味が違う」と断られました……残念。これを読むと広島とかまた行ってみようかと思う気になりました。時期も時期で夏休みの読書にはいいと思うのでした。

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2011年07月23日

食べる話

 食べる、ということが描かれている小説は、時として意外なものを食べたりします。例えば「人」。これは小説という虚構だから許される行為でありますが、こうしたものを読んだからと言って、「人、食べてみたいな」と思うことはありません。人を食べる前に肉にしなくてはいけませんし、新鮮なほうがいい。そうなると、調達するためには殺人ということになり、と人を食べる小説は結局殺人になってしまいます。たいてい、「人を喰う話」はラストで、あ、そうなってしまうの!?という意外性のために仕掛けられたものであるので、読む前に「これは人をたべちゃうんだよね」ということが分かっていると、読む前から面白さ半減です。

 ホラーとか、ミステリとかの短編にはこうした結末が用意されているものも多いので、読みなれてくると薄々、「多分こうなるだろうな」と予想がつくものも出てきてしまいます。先日、娘がたまたま手にとって借りてきた本のラストがこうした展開で、かなり衝撃受けていました。「初人喰い小説」だったということです。娘が「凄い話だったから、読みなよ」と勧めるので、手に取ったのです(タイトル『ライダー定食東直己著 柏艪舎 ネタばれになるので、反転すると出ます)が、タイトルとちょっとその娘の「衝撃」で予想がついたのですが、そこにいたる道筋がなかなか面白い小説でした。娘のような「衝撃」を受けることがこの手の小説で少なくなってきているので、いいなあ、羨ましいなと思います。こういう展開になってしまうとは!という意外な話でがつんとやられたい、と思いますが、そのためには極力ネタばれなしで読んだほうがいいし、よく知らないで読んでびっくりした!というのに出会いたいです。あまり調べず、目に付いた本を読むという娘のやり方がいいのかもしれません。夏はホラーだな。

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2011年06月09日

『眠れるラプンチェル』



 2、3年くらい前に山本文緒さんの本を結構読んで、そのときに買ったけども、一度も読んでいなかった本。冒頭の中学生とか、パチンコ店とかで入り込めそうにないと思ってそのまま置いておいたのだけど、ふと思い出して読んでみたら――これがなかなかよかった!のでした。

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2010年12月22日

『死ねばいいのに』

死ねばいいのに
京極 夏彦
講談社 ( 2010-05-15 )
ISBN: 9784062161725



 「ならさ」
  ――死ねばいいのに。

 この特徴的な言葉が挿入される連作短編集。殺された女を巡って話を聞きにいくケンヤと相手との会話で進む。相手は自分のことを滔々と話し、自分の生きてきた人生、立場、他人には理解されていないと感じる理不尽さなどを聞かせる。その一連の流れを通して発するケンジの「死ねばいいのに」には頷いていまうところがあります。そうだよね、そんなに厭だったら、今の生き方変えれないんだったら、じゃあ何で生きているの、と確かに思うのです。だけども、この物語の人物たちは死にたくはない。死ぬ気なんてない。こんな人生でも、厭ことだらけでも、それでも生きているし、生きていくものなんだよ、と思わせる。実際、こういう人生やつまらないこと、うまく行かないまま過ぎていく日常、あるある、と思います。だからって、人間簡単に死のうとは思わない。それでも生きているし、生きてしまうし、そのうちいいことあるかもなんて思う。不平不満がいろいろあるけども、それでも――

「あのさ、俺思うんだけど、あんたの言うマイナスって、ただプラスがねえってことじゃんか。それ、マイナスじゃねえよ。人生なんでも普通はゼロだって。プラスもねえしマイナスもねえのが普通じゃん。あったって、結局はプラマイゼロだから。良いことがねえから不幸だって、それ、おかしくね?」(P66)


 自分で自分のことを不幸だと思うこと自体が不幸なのかもしれない、と思う本です。それはそれでいんじゃね?と言っているケンヤの言葉がなぜか身に沁みる、そんな感じです。
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2010年11月26日

櫻沢順さん、2冊







 前から気になっていたので櫻沢順さんの小説2冊読みました。『ブルキナ・ファソの夜』は第3回ホラー小説大賞の佳作だそうですが、『アウグスティヌスの聖杯』が先に出版され、後に『ブルキナ』が文庫として刊行されたようです。現実から続く不思議な(人間の意識を変えるような奇跡的な、それは神からの賜物であるという)世界は実在するというのがどちらの小説にも流れています。そして作者が旅行代理店勤務ということも大きく影響し、主人公は旅行会社の社員ということで話が進みます。小説で描かれる、生涯行くことはないであろう秘境やそこで見つかる変わったでは済まされない「モノ」に惹きつけられます。ストーリーとしては、余韻を残す感じですが、ちょっと物足りないような感じがします。その後を想像するよりも、少々突き放されてしまった感じです。

 中でも『ブルキナ』の書き下ろしとして書かれた『ストーリー・バー』が一番いいかもしれません。もしかしたら、ふと自分の思い描いている世界とは違うところへ踏み込んでしまうかもしれないという、自身の存在の危うさを感じさせる展開です。この自分自身の存在が当たり前ではなく懐疑的に感じるという物語にいつも惹かれます。

 この2冊以降は出版されていない作家さんです。略歴では旅行会社勤務を経て外国航空の日本代表、その後シネコンの運営会社勤務となっています。小説は趣味というか、小説一本という感じの方ではなく多才な方なのかもしれません。これ以降に書いたものがあれば読みたいな、と思いつつ。
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2010年11月01日

朱川湊人さん、2冊

赤々煉恋 (創元推理文庫)
朱川 湊人
東京創元社 ( 2010-01-30 )
ISBN: 9784488550028
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花まんま
朱川 湊人
文藝春秋 ( 2005-04-23 )
ISBN: 9784163238401
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 少し前にテレビで放映した「世にも奇妙な物語」で朱川湊人さんの作品がドラマ化されていました。いくつか読んでいた作家さんですが、好きなテイストなので未読作品を2冊読みました。ちょっと不思議で怖くて、それでいてどこか本当に思えてくるような物語を書く方だと思いました。この2冊の短編はどれも「はずれ」なしです。

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2010年09月03日

ぶたぶたのアップルパイ

 今朝、テレビで「北海道物産展で売っているおいしいケーキ」という特集を放送していました。特に熱心に見ていたわけではないのですが、試食している出演者がアップルパイを食べていたときに「何で『ぶたぶたのアップルパイ』なんですかね?」「童話に出てくるそうですよ」というような会話が聞こえたので、思わず画面を凝視してしまいました。商品名は「ぶたぶたのアップルパイ」とあり、新宿伊勢丹の物産展で販売しているようです。「ぶたぶたのアップルパイ」って、あの本のアップルパイのことでは?と凄く気になって調べたところ、やっぱりあの「アップルパイ」でした。

ぶたぶたと秘密のアップルパイ
矢崎 存美
光文社 ( 2007-12-06 )
ISBN: 9784334743499
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2010年08月12日

『インシテミル』

インシテミル (文春文庫)
米澤 穂信
文藝春秋 ( 2010-06-10 )
ISBN: 9784167773700
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 『追想五断章』が面白かったので米澤氏の本はいくつか手にとっています。青春ものにちょっと手がでないのですが(年のせい?)、こちらは『追想…』寄りの作風なのかと勝手に思いつつ読んだのです。映画化されるらしいので、映画になるなら映画を観る前に読みたいと思いつつ。

 読了後の感想としては75点くらいの面白さでした。凝った設定や古典ミステリのオマージュという部分が多かったりして、小説の筋だけでなく楽しめるのですが、殺人に少し入り込めない感じを抱いたのと、キャラクターたちの抱えているものがわからなかったのが気になりました。

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2010年06月15日

『亜玖夢博士のマインドサイエンス入門』



 このマインドサイエンスというテーマがとても好きなジャンルです。脳に直接働きかけたとしたら、人間は現実的な非現実を味わえるのではとよく思うのです。そうしたテーマを扱って小説仕立てにしていて面白い本。コンピュータと人間の脳を結びつけていったときに出来ていくものなどは凄いです。

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2010年05月19日

『東京日記』

 『1Q84』のBOOK3で主人公が本を朗読する場面がありますが、その中ですぐに引用元を確認した文章があります。それが内田百閧フ『東京日記』。やっぱり百關謳カの文章だとなんだかほっとしたような嬉しい気持ちになりました。なので、改めて読み直してみることに。


 『東京日記』というタイトルから連想される日常の出来事を回想するものとは全くことなり、原因、結果、説明がまるでないと言っていいような、不思議な断片というような連作(?)小説です。主人公(百關謳カかな)が暮らしている東京での日常生活の中に見える、ふと気づくとどこかおかしい、どこか妖しいある場面。それがどういうことだったとか、どうなったとかはありません。こういうことがあったのだけど、どこか夢のようで、でも本当にそんなことがあって……という感じです。

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2010年03月13日

『面白いお話、売ります。』

Story Seller (新潮文庫)
新潮社ストーリーセラー編集部
新潮社 ( 2009-01-28 )
ISBN: 9784101366715
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 最近の自分とだいたい同年代の作家さんの短編集。佐藤友哉氏と道尾秀介氏以外の作家は読んだことがあったので、楽しめるのではと手に取りました。

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2009年12月06日

『追想五断章』

追想五断章
米澤 穂信
集英社 ( 2009-08 )
ISBN: 9784087713046
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 主人公菅生芳光は北里可南子という女性に頼まれ、彼女の父親が生前書いたという小説5篇を探すことを請け負う。その5篇はリドルストーリーの形をとっているといい、結末だけが彼女の家に残されていたという。この「リドルストーリー」に惹かれて読み始めましたが、かなり好きです。リドルストーリー自体に興味があり、好きなのですが、それを作中作として用いつつも、その小説自体の持つ意味や女性と父親の関係、失われた事件の真相、そして主人公芳光自身の境遇や流れなどが混ざり合ってとてもいい小説でした。気に入っています。

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2009年05月24日

『漢方小説』

 このごろ、面白いなあと思うような本に当たらず、図書館でも絵本ばかり借りてきて読んでいたりします。Amazonで好きな作家を検索してみると、結局その作家の本ばかり出てきてしまい、それはだいたい読んだのだけど、別の作家で似たテイストとか、そういうのを探すのは難しい気がします。

 そういうときは本屋さんに行くといいのかもしれないけども、近くに大型書店というものがありません。本当にありません。なので、ちょっと行きやすいレンタルショップの古本コーナーをときどき覗きます。ここにあるのは殆どこのお店で買い取ったもので出来ているような気がします。ケータイ小説が何冊もある辺りでそんな気がします。最近行ってみたら、なんとなく気になって買ったのが『漢方小説』。図書館の「な行の作家」コーナーにあることは何年も前から知っていたけども、読みたいと思ったことはありませんでしたが、なんだか気になる、とりあえず手に取る、1ページ読む、買ってみる、ということで読みました。



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2009年02月22日

『クリムゾンの迷宮』

 怖い、というのは不思議なものです。実際に心霊写真を見るとか、真夜中の廃墟に入り込んで何かが出るとか、そういう得体の知れないものは大の苦手で、見るのも聞くのも嫌なのです。ホラー映画も見たら寝れないので見ないようにしています。ちょっとした映像がふと思い出されてくると怖くなるのです。それなのに、なぜか怖い小説というのには惹かれます。見る、聞くではなく「読む」だからいいのかもしれません。ただ感じる恐怖、本という中に起こる出来事だから、途中で戸惑ったら本を一旦閉じることができるというのがいいのかもしれません。その怖さを自分のほうで調節しつつ楽しめる、という感じなのでしょうか。
 それでも、好きなホラーというのは、日常がちょっとずれて、奇妙な現実や不条理な世界に入ってしまう、というもの。こういう世界があるかもしれないというもので、そこにどんどんはまっていくようなものが好きです。
 最近読んだのでおもしろかったのはこちら。

クリムゾンの迷宮
貴志 祐介
角川書店 ( 1999-04 )
ISBN: 9784041979037
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2009年02月14日

『ベーコン』

ベーコン
井上 荒野
集英社 ( 2007-10 )
ISBN: 9784087748918
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 タイトルに惹かれて借りた本。これはいいなあ、と思います。もともと食べ物にまつわる話というのは好きですが、いかにもグルメな感じというのではなく、とある食べ物にはこんな記憶が蘇る、という雰囲気の短編集。
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2009年02月12日

志賀直哉を読む

 古い文学全集の中の一冊で「志賀直哉集」を見つけました。夏目漱石の「こころ」が面白かったので、有名で読んでいない文学を読んでおこうと思い立って出してきたのです。志賀直哉といえば「暗夜行路」。タイトルと作者だけは知っていますが、内容は全く知りませんでした。いい機会なので読んでみることに。短編が最初に収録されていて、「網走にて」「小僧の神様」「清兵衛と瓢箪」「城の崎にて」「邦子」「雨蛙」「剃刀」「好人物の夫婦」「十一月三日の出来事」「焚火」「万暦赤絵」「痴情」を読んでいるときはすいすいと進みました。わかりやすい場面の描写、一瞬の出来事にはっとする、そんな感じです。「暗夜行路」はどんな話なのだろう、と短編を読みながら期待していたのですが――読み進めるのがかなり苦痛な話でした。一週間も暗い小説に浸かっていました。

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2009年01月21日

『こころ』


 夏目漱石の本は読もう読もうと思いつつ、何年も積読状態でした。このちくま文庫の『こころ』はいついつどこで買ったか思い出せません。古そうなので古本で何かとついでに買っておこうか、という本だったようです。だいたいの本はいつどこで買ったか覚えているのに、この本だけはどうも思い出せません。ただ、実家から持ってきた文学全集の「夏目漱石」に入っていて、わざわざ買うほどじゃなかった、という覚えがあって読む気が失せたまま置いておいた本でした。
 あらすじというか、だいたいこういうような話らしいというのは知っていましたが、じっくり読むと本当に心に響く小説でした。


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2008年06月30日

『小川未明童話集』

 「赤いろうそくと人魚」で有名な小川未明の童話集。そういえば最後まで読んでいませんでした。童話というと、昔話的な最後に幸せになるような、ほのぼのとした牧歌的明るさを連想させることが多いものですが、実際の「童話」というのは昔話とは異なると感じます。口承的に伝えられたのではなく、作り上げられたもので、表現がやや昔話に近いかもしれませんが、内容は人間の心理に切り込んでいくようなものなのだと、感じました。安房直子さんの作品もこういう雰囲気を持っています。
 小説のように、特定された場所、性格や容姿などが特徴付けられる「キャラクター」を描いてはいません。どこか遠い国、兵士、村人、娘など、読み手の住む場所と交換可能な場所、自分もなりうるかもしれない誰かという登場人物を描くことで、より深く切り込んでくるような印象を受けます。
4101100012小川未明童話集 (新潮文庫)
小川 未明
新潮社 1961-11

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2008年04月13日

『玩具修理者』

 これは非常に好みのテイスト。 作者の別の短編集を以前読んだときには「まあまあ」だったので、他の作品も読もうと思いつつ、またいずれと思っていたのですが、「玩具修理者」「酔歩する男」どちらも引き込まれて、考えて、うーむと唸ってしまう小説でした。
4043470010玩具修理者 (角川ホラー文庫)
小林 泰三
角川書店 1999-04

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2008年02月24日

『銀座八丁』『雪の話』他

 今年に入ってから翻訳物を読み、ハリー・ポッター7巻を読み返していたのですが、無性に「日本」が恋しくなり、何でもいいから家にあった本を読むことにしました。それが武田麟太郎。
 古い文学全集の1冊で、『日本三文オペラ』『銀座八丁』『一の酉』『雪の話』『大凶の籤』『心境』が収録されていました。
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2007年08月11日

『恋愛中毒』

 めぐりんさんにコメントをいただかなかったらたぶん読まなかったであろう本。「恋愛小説」と呼ばれるようなジャンルに躊躇します。恋愛っていう柄じゃあない気がして。恋愛小説に勝手なイメージを植えつけて敬遠していましたが、これ、面白かったです。
4041970105恋愛中毒 (角川文庫)
山本 文緒
角川書店 2002-06

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2007年07月26日

『マイナス・ゼロ』

4794212232タイムマシンをつくろう!
P.C.W. デイヴィス
草思社 2003-06-18

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 ハインラインとくれば日本はこの人らしい、ということで初読です。タイムマシン、時間、パラドックスというテーマ、大好きです。
 時は昭和初期、浜田俊夫の少年時代から物語が始まる。昭和20年、俊夫は14歳、隣の女学生啓子は17歳。空襲で啓子の親伊沢先生は亡くなり、啓子は行方不明になってしまう。伊沢先生は臨終の際に俊夫に謎のメッセージを残す。そのメッセージに従い、18年後の昭和38年、俊夫は故伊沢家の跡地に赴くのだが、そこは及川という家になっていた。なぜか伊沢先生の使っていたドーム型研究室は残されており、詳しい理由も聞かずに及川氏は俊夫をそこに案内して自由にしていいと言う。そこに突如現れた物体から出てきたのは18年前と変わらない啓子でした。

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2007年07月14日

『ブラック・ティー』

4041970040ブラック・ティー (角川文庫)
山本 文緒
角川書店 1997-12

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 夏恒例文庫フェア、目録があるとついもらってきてしまいます。集英、新潮、角川とめくってみて、山本文緒さんの本が気になりました。といいながら、買う前に図書館。文庫で紹介されていたお目当ての本がなかったので、読んでみたのがこれです。この感じ、わかるというか、はまり込んでしまいました。

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2007年06月26日

『ツアー1989』

408774812Xツアー1989
中島 京子
集英社 2006-05

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 ちょうどブログを書き始めたくらいのころ、読売の書評でブログを題材にした小説ということで「テディ・リーを探して」というのが紹介されていました(本よみうり堂「舞台としてのネット社会」)。このときかなり気になって、小説「すばる」を買いに行きましたが売り切れ。いつか読めるだろうと思っていたら、思いのほか早く書籍化されていたとは知らず、出版からだいぶ経っていました。この書評を読んだときにはひとつの短編かと思っていましたが、こうして本を手にとってみたら連作短編になっていました。15年前、1989年の香港ツアーによるゆるいつながりがあり、そして現代につながっていくあやふやで失われた記憶と生まれる幻想の物語。
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2007年06月07日

所有するということ

 一つ前の本『カーブの向こう・ユープケッチャ』の中の短編「ユープケッチャ」に印象的な一文があります。
肝心なのは所有しているという事実であって、目で確かめることではない。
『カーブの向こう・ユープケッチャ』(新潮文庫 安部公房著 P232)

 ものを所有したいときって、持っていること自体が目的で、たいていの場合大して使わない、出さない、本なら読まない。たいていの場合、もう読んでしまったから。だけど、どうしても「持っていたい」と思うものがあって買って置いておく。買っておいてあることで満足する。確かに何度も目で確かめなくてもいい。あるという事実が満足を生む。短い文だけども、忘れられない部分です。
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「完全映画(トータルスコープ)」

 安部公房の短編集『カーブの向こう・ユープケッチャ』(新潮文庫)に入っている作品。トータルスコープ計画、略してトタスコと呼ばれるこの映画は、スクリーンに映し出すのではなく、直接人間の脳細胞や神経を刺激して、そっくりそのまま「体験する」という新しい映画。神経生理学と電子工学をあわせたのこトタスコ映画は東洋映画の出資により進められてきたというものです。シナリオ委員会は観客が物語の主人公になりきって参加するということで、3つのタイプに方向を決めました。それがイ)あこがれの実現、ロ)空間的以上体験、ハ)時間的異常体験です。イ)とロ)を集約し、ハ)を別個で製作することに決めたのです。
4101121206カーブの向う・ユープケッチャ (新潮文庫)
安部 公房
新潮社 1988-12

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2007年05月27日

文学を読む

 先日DSで日本の有名な文学が読めるソフトが出るというニュースを見たので、ちょっと気になっていた(文学コンプレックスがある、と思う)。有名なのに読んだことがないものも多い。1冊あたり38円というソフトらしいが、気になるのは中身。しばらく前にチェックしようとしたら開発会社のページが表示できなかった(アクセス集中)ので、今日になって眺めてみたのです。

B000PVEZ0A一度は読んでおきたい日本文学100選
スパイク 2007-07-26

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収録作品について
一度は読んでおきたい日本文学100選のページ

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2007年04月30日

『夫婦善哉』

4101037019夫婦善哉 (新潮文庫)
織田 作之助
新潮社 1974-03

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 図書館が休みで本を借りれなかったので、仕方なく家にある本を読むことにした。だいぶ前に実家から持ってきた大部分行方不明の文学全集の一冊(新潮社、1968年発行)があったのでなんとなく読む事に。それが『夫婦善哉』です。(上のリンクは本が違います、念のため。新潮社なので中身はだいたい同じはずです)


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2006年10月23日

『パニック』のような

「去年までこんなこと、なかったのにねぇ」
 近所のKさんが嘆く。
「どこの家でも出るみたい」
 本当にこのごろ、よく聞く話――今年はねずみが例年になく多いようです。

 築10年程度の新しい家に住んでいる家族には無縁の出来事らしいのですが、古い町並みでも有名なこの町は、古い家が多い。我が家も例外ではない。よなかにかさかさ言う物音。もしかして、ねずみ? 嫌だな。やっぱり古いから出るんだろうか、それとも何か散らかしていた? なんでうちに……と思っていたら、うちだけではなかったのです。あちこちで聞くねずみのうわさ。

「どこから入ったのか、子どもの机に入っていたミルキーをかじってた」
「夜、あの道路横切ってくの見たって」
「あの昔ながらのねずみ捕り、あるでしょ? ぱっちん!ってやつ。あれでね、もう何匹も取れたんだって」

 毎年冬に殺鼠剤が配られるのですが、今まで見たことがなかったので使わずに捨ててしまうことが多かったのです。今年はいつも12月に配られている殺鼠剤を早めに配るので希望者は地区の委員に申し込んでくださいという回覧が来ました。確かに、あちこちでねずみが出る話を聞きます。かじったかぼちゃにいんげんを詰め込んでいったねずみがいたと友人に聞きました。笑い話みたいだけど、実際、ねずみといえば細菌、ウィルスもあるようなので笑ってばかりはいられません。我が家は裏の物置付近が怪しいということがわかって、べったり張り付くねずみマットを置いたところ、見事かかりました。



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2006年04月01日

嘘をつきます。

 今日は嘘をついてもよい日。なので、嘘をつくことにします。

この枠の中に書いてあることは嘘です。


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