2011年12月21日

『あやかしファンタジア』



 斉藤洋さんはとにかく多作な方だと感じます。幼年童話も書かれるし、外国を舞台にしたもの、ちょっと不思議な話、落語に翻訳もされています。その中でも好きなジャンルの話がちょっと不思議な話。『アゲハが消えた日』(偕成社文庫)もよかったですが、ちょっとラストが怖い。初期の再出版ということですが、解説が西戸助教授という、おなじみの作中人物なのもよかったのですが、物語の原因となる事象が怖い……結構真剣に怖いのでちょっとだけ受け入れられない雰囲気を感じました。それと比べると、この『あやかしファンタジア』はぴったり趣味に合う、こういうのを読みたかった!と思う作品でした。連作短編の形をとっていて、それぞれ不思議なことが起こります。現代のとある都会の町という感じなのかな、大学が近くにあり、野球場があり、という繁華街ではないものの、現代的な町に住んでいる主人公「わたし」が体験する出来事の数々。物凄い怖いというのではなく、ちょっと不思議、でもありそう、たぶんあるかも、と思える本当にあるような感じの話です。それが連作という形でゆるくつながっているため、余計に「ありそう」な雰囲気を出しています。装丁の狐とオレンジの背景も素敵です。桜、イチョウという風景もよかったなあ。
posted by kmy at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月03日

『ひぐれのラッパ』



 図書館に新しい安房直子さんの本が入っていたので借りてきて読みました。『とうふ屋さんの話』の中の一篇を表題として、主に動物との交流を中心にした編集。でも「ひぐれのラッパ」だけは暗く怖い感じのお話です。シリーズとして『ひぐれのお客』を刊行しているので、そちらと合わせた感じですが、この本の中ではちょっと異色かも? 全体を通じてちょっとした弾みで不思議な世界に取り込まれていく物語という編集かもしれません。冒険譚のようにわくわくするものではなく、少し怖い世界です。

 安房直子さんのお話は小学生のころに『銀のくじゃく」に出会ってからずっと好きでした。93年に逝去された記事を新聞で読んだときはあの作家さんは亡くなってしまったんだ、と思うと慌てて古書店を回り、その当時、思い出のある数冊と未読の本を購入しました。出版点数は多いのですが、絶版になったものもあったりして……。「コレクション」が近年出たときに、これで集大成になったのだろうな、と思っていたのですが、その後も絵本や童話として安房さんの本は出版されています。新しく出されている本はどれもイメージを美しく描くような、そういう装丁の本で、新しいイラストで本ばかり。描き手が表現したくなるような、そういう色彩やキャラクター、背景などは決して廃れないものなのだと感じるこのごろです。わたしが子どものころに新しいお話を作っていた作家さんは、ずっと受け継がれていく読み物として定着しているんだ、と感じています。今から読まれる方にとってはどの本で読もうという、安房さんの文章だけでなく、イラスト・挿絵を含めた作品になっているのですね。今後もきっといろいろな物語が新しく出版されていくのかと思うと楽しみでもあります。
posted by kmy at 19:34| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月09日

『八月の暑さのなかで』

八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)
金原 瑞人, 金原 瑞人, 佐竹 美保
岩波書店 ( 2010-07-15 )
ISBN: 9784001146028
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 夏と言えばホラー?なのかなと思いつつ、英米のホラーを集めたこのアンソロジーはとてもいい感じでした。奇妙な怖さというのが中心で、よくわからない余韻のある恐怖というのでしょうか、何かわからないから想像して考えてしまう、ああいうことだったのかな、こういうことかもと考える余地が残る終わり方が素敵です。


続きを読む
posted by kmy at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

『黒い小屋のひみつ』



 nemurikoさんに紹介していただいた本。タイトルが気になるので、さっそく図書館で予約して借りてきました。
 UFO騒ぎのあと、原っぱに現れた黒い小屋。団地の仲良し四人組、りょうたくん、トモくん、チアキちゃん、はじめくんは黒い小屋を見に行きます。中に入ると扉が開かなくなって、どんどんと地下へ下っていくようです。奥へ進むたびに注意書きが現れます。「もちものをぜんぶ下のはこへいれてください」「住所と名前を教えてください」という通路を進んでいくとゲームの部屋、その続きにケーキがありました。それを食べた後にはなぜかはらっぱに出てきていましたが、同時にケーキを食べた子どもたちは変わってしまいました。黒い小屋のこともすっかり忘れ、遊びも忘れ、友達と話すこともしなくなるのです。

続きを読む
posted by kmy at 20:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月07日

気になっていた物語の食べ物

 物語に出てくる食べ物は、食べたことがあるものは普段食べているものの何倍もおいしそうな気がしますし、食べたことがないものは、きっとおいしいに違いない、いつか食べてみたい、そんな気にさせられます。特に、外国の物語で未知の食べものであればあるほど、なんだか憧れてしまいます。
 子どものころ、これはおいしいに違いないと思ったのは「フーフー」です。おいしそう、どんな味なのだろう?と思うものの、作り方を調べたりしたことはありません。今のように手軽に調べられることもなかった時代、ただただ、きっとおいしいに違いないと勝手に思っていたのです。「フーフー」が出てくるのはアフリカ民話。アフリカの料理なんて食べるところも知らなければ、作り方も全くわかりません。その描写も読み直してみると意外に簡単なものでしたが、この文章だけで、これはかなりおいしいものに違いないと思っていました。
フーフーというのは、つぶしたおイモでつくった、クリームのようにどろどろした、おいしい食べ物でアフリカの人たちの大好物だったからです。
(略)
おかみさんは、白いクリームのように、どろどろしたフーフーを、りょう手にうけて、なんどもなんどもヒョウタンにいれました。
『オクスフォード 世界の民話と伝説10 アフリカ編』講談社 P123


 今のように、ネットでさっと調べられるようになって、ふと「フーフー」ってどんな料理だったんだろう?とこのごろ気になったのです。


続きを読む
posted by kmy at 19:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月24日

『少年のブルース』

少年のブルース (偕成社文庫)
那須 正幹
偕成社 ( 1993-01 )
ISBN: 9784036519408
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 いわゆるショート・ショートという短編集ですが、星新一のテイストとはちょっと違います。それは児童文学作家が書いているというのが大きいのかもしれません。星新一氏の作品にも子どもが登場しますが、こちらは学校、放課後、自分の家、遊び場などを題材にした子どもの生活に密着しつつ、子ども特有の考えや感じ方が反映されているようなものも多いところが魅力です。子どもを題材としたものだけではなく、社会生活やSFや科学、怪談、昔話を元にしたものなどバラエティに富み、本当に楽しく読みました。


続きを読む
posted by kmy at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月15日

『ゆめの中でピストル』

 続けて寺村輝夫氏の古い童話を読んでみました。『6月31日6時31分』と合わせて収録されていたのがこれで、確か変わった話だった気がしていましたが、読んでみるとやっぱり変わった話でした。『寺村輝夫童話全集』の15巻目「ふしぎの時間」に入っていたようです。


 37歳、バオバブ・ブックス編集長のマチムラユキオは風邪を引いて薬を飲んで寝ていたら、ピストルを作る夢をみます。ゆめからさめたかと思ったら、おかしな小人みたいな人が現れて、パトカーに乗せられ連れて行かれてしまいます。そこで「モドコ」になってしまう、というお話。


続きを読む
posted by kmy at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月13日

『6月31日6時30分』



 ヤヤーさんの記事中の9月31日で思い出した本。小学生のころといえば、安房直子さんの本と寺村輝夫さんの本が好きでした。安房さんの本は20歳くらいのころ、古書店で見つけて懐かしくなり、買いやすい文庫を集めたので内容もだいたい覚えています。しかし、寺村さんの本は家にあるのは3冊で、どれも王さまの本。王さまシリーズが刊行して自作を楽しみにしていたときからもう20年……他にも昔話とかアフリカの話とかを書かれていたと思いますが、ほとんど思い出せません。題名は印象に残っているのがいくつかあるので、懐かしみながら図書館で借りてきました。
続きを読む
posted by kmy at 20:41| Comment(4) | TrackBack(1) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

『ふしぎの国のアリス』

ふしぎの国のアリス (児童図書館・文学の部屋)
ルイス キャロル, ヘレン オクセンバリー
評論社 ( 2000-03 )
ISBN: 9784566011076
おすすめ度:アマゾンおすすめ度


 アリス好きの友人と話をしたら、久々にアリスが読みたくなりました。子どものころ読んだのは福音館の古典シリーズでした。図書館で検索してみると、蔵書が豊富とはいえないこの図書館でもアリスは何冊も翻訳があることがわかりました。福音館、岩波少年文庫、柳瀬訳、トーべ・ヤンソンのイラストのもの、子ども向けのリライトのようなものに絵本。下調べをして来なかったので、どれがいいのかよくわからなくなりました。読んだことのない訳のものにしておこうかな、と思ったら、オクセンバリーの挿絵のアリスがあったので、挿絵に惹かれてこれを読んでみたのですが――大失敗かも!? 求めていた翻訳とは違っていました。
(ちなみにAmazonでは別のアリス本のレビューに関連付けられていて、レビューは参考になりません)

続きを読む
posted by kmy at 09:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月10日

『ことば観察にゅうもん』

kotoba.jpg
『ことば観察にゅうもん』 月刊たくさんのふしぎ 2008年4月号
米川明彦・文 祖父江慎・絵

 絵がかわいいと思ったら、文も面白い! 日本語で同じことを表現するのに、言い回しがいくつもあるということがまず分かります。たとえば、PM0:00のことを表現するのに、12時、正午、お昼……と例があり、自分のことを何と言うか(一人称)ということで35種類も上げています。そういえば、使ったり見たりしたことがあるものばかり。いろいろあるんです。

続きを読む
posted by kmy at 19:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月11日

デロールと剥製

 以前、ヘレナさんの記事で「たくさんのふしぎ」が紹介されていました。何の特集か全然知らなかったのですが、シマウマの表紙に惹かれて、詳しい号数(2003年12月号「好奇心の部屋 デロール」)を教えていただき、図書館で借りてきました。

 この表紙のシマウマは剥製で、フランスはパリにあるデロール(DEYROLLE)というお店の特集だそうです。こちらのお店はもともと理科の教材などを販売していたとのことで、博物館のようなその店内にはシロクマやライオン、オオカミなどをはじめ様々な剥製が並べられています。現在は条約により、希少動物の剥製は作られていないとのことで、現在ある剥製は貸し出しのみ行っているようです。その他、モルフォチョウや色鮮やかな南国の昆虫標本、世界中から集められた鉱物や化石、植物標本に骨標本などが展示、販売、貸し出しされているようです。ちなみにHP(DEYROLLE)もありました。フランス語はまったくわかりませんが、ANIMAUXをクリックすると剥製の写真がたくさん出てきます。本を見た感じでは、ひっそりとした奇妙な店のようですが、実際はWEBで通販をするくらいの展開をしている現代的なお店に変化しているようです。

続きを読む
posted by kmy at 15:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月06日

『ユゴーの不思議な発明』

 モノクロで綴られる孤児の少年の物語なのですが、絵本でもなく、挿絵でもなく、少々変わった構成の本です。最初は両開きに描かれた絵だけでストーリーが進み、しばらくすると文章のみでストーリーが展開します。そしてまた、ある場面では実在の写真を用いて効果を出しています。そしてその物語も現実にあったある人物のことを元に再構成して出来上がった物語になっています。物語のキーワードとなるのは「映画」。なので、このキャラクターは実在したの?と思いつつ、実在の映画の写真を見ながら、もう遠い昔となったパリの街や映画館、駅や時計を思い浮かべながら物語に浸れます。

475721426Xユゴーの不思議な発明
金原 瑞人
株)アスペクト 2007-12

by G-Tools


 物語は孤児のユゴーが火事でなくなったお父さんが残したノートを元に作っているからくり人形のことから始まります。その人形を修理するために必要な部品を調達するには「盗み」しかなく、そのため駅のおもちゃ屋で出かけていきますが、あいにく店主のおじいさんに見つかってしまいます。そこからユゴーの生活は変わり始めます。

この先ネタばれあります。
続きを読む
posted by kmy at 15:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月18日

『さよなら地底人』

4577031442さよなら地底人
高科 正信
フレーベル館 2005-10

by G-Tools



 友だちの陽子ちゃんは妖精を見たといい、お兄ちゃんは地底人に会ったというのです。万寿(まんじゅ)はどちらも見たことがないけども、砂の中にいる妖精はお団子を食べて口の中がじゃりじゃりしないかな、とか、地底人はなんでわざわざ人間の中で暮らすんだろうと想像をめぐらします。神戸に住む万寿と千福(せんぷく)兄妹の会話が中心のお話。阪神大震災でおばあちゃんをなくして、「だれのこともようわからんようになった」おじいちゃんの切ない物語が絡まって進行していきます。

続きを読む
posted by kmy at 14:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月28日

『おかしの男』(創作子どもSF全集10)


佐野 満津男, 矢野 徹, 小沢 正, 光瀬 龍, 大石 真, 山藤 章二, 杉浦 範茂, 田島 征三, 小林 与志, 中村 弘 / ブッキング
Amazonランキング:88024位
Amazonおすすめ度:



 懐かしい! このシリーズは昨年復刊したと聞き、すっかり忘れてしまったので読みたくなりました。というわけで図書館に行ってリクエストすると――書庫から出てきました。しかもかなり古い! わたしが読んでいたときはもう少しきれいな本だった気がするのに、と思って奥付を見ると69年。生まれる前だ〜。調べてみると80年代に一度復刊したそうで、わたしが読んだのはおそらくそのころのもの。あまりよくは覚えていないのですが、表紙はつるつるの光沢紙だった気がしますが、借りてきた本は絹目の紙でした。
 まあ、読めれば、なんて思っていたらひどいものです。めくってみると、なにやら落書きがいっぱい。鉛筆書きでいろいろ電話番号やら子どもの名前やらが書いてあります。古いのは仕方ないけど、こういうのはやっぱり気分が悪くなります。それでも、懐かしみながら『おかしの男』を読んでいると――むむっ? これは! ページが抜けている! それも10ページも。なんだか本当にがっかりして返却しに行きました。

「落書きも凄いし、ページが10ページくらいないんです」

 一応、言うだけ言っておこうかな、と。すると、

「この本は新しくなって出版されたようなので、入れてもらえるよう頼んでおきますから、リクエスト用紙に書いてください」

 と、言ってくれたのです! やったあ! ひそかに「確かシリーズで分売不可の20巻セットだったはずだけど」と思いつつお願いしてきました。
 それから3週間ほどして電話がかかってきたので、新しい本を借りることができたのです。
 というわけで、『おかしの男』です。

続きを読む
posted by kmy at 16:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

『わかったさん』シリーズ

4251037510わかったさんのクッキー (わかったさんのおかしシリーズ)
寺村 輝夫
あかね書房 1987-12

by G-Tools



『わかったさんのクッキー』
寺村輝夫作 永井郁子絵 あかね書房

 子どものころ、寺村輝夫の本が大好きでした。王さまシリーズ、昔話、当時棚にびっしり並んでいた『寺村輝夫全集』も借りた気がします。それでも、このシリーズは87年発行とあって、小学生ではなかったわたしは読むことなく今に至ってしまいましたが、娘が借りてきたので、一緒になって読んでいました。「わかったさん」シリーズは実際にレシピがついていてお菓子が作れるようになっています。内容はクリーニング屋のわかったさんという女の子がなぜか不思議な世界に行ってしまい、お菓子を作るというものです。
 読み終わって「クッキー、作ってみようよ」と言うので、材料はそろっているし、やってみようかなと思い、アイスボックスクッキーを作ったのです。なかなかおいしくできました。
 その後で、また本をめくって見ていたら――この絵は! めがねにひげ面、子どものころから見覚えのある顔でした。
続きを読む
posted by kmy at 20:56| Comment(7) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月30日

『神様ゲーム』(講談社ミステリーランド)

4062705761神様ゲーム (ミステリーランド)
麻耶 雄嵩
講談社 2005-07-07

by G-Tools


 昨晩、読み終えたら寝ようと思ったのです。読み終えたら逆に眠れなくなりました。ミステリーランドシリーズの中では「子どもに読ませたくない」けど「面白い」と評判の本のようです。

 主人公芳雄は小学4年生。同じ町内の子どもたち5人で探偵団を結成し、空き家になった廃屋、通称「鬼婆屋敷」を本部にしている。最近起こっている猫殺しの犯人を突き止めようと、推理を巡らせていた。同じ週のある日、芳雄は転校生鈴木君とトイレ掃除が一緒になり、話しかけてみた。すると、鈴木君は自分が「神様」だと言う。そして淡々とした調子で宇宙の知的生物を作った話や人間が持っている性質は自分が作ったと言う。芳雄はこれは鈴木君の神様ごっこのゲームなんだと思いつつも、翌日掃除当番のときに猫殺しの犯人について聞くとあっさりと答えてくれた。大好きなミチルちゃんがかわいがっていた野良猫のハイジを殺した犯人に「神様」は天誅を下してくれるという。しかしその後、予想もしなかった事件に発展していく。神様の言うことは絶対なのか――そして結末の意味は?

(この先ネタばれにならないようにはしています)

続きを読む
posted by kmy at 21:28| Comment(6) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月24日

『牡丹さんの不思議な毎日』

 娘の菫(すみれ)は愛犬フレディが飼えないと困ると騒ぐし、お父さんは趣味の盆栽が置けなくちゃ嫌だと言い張る。多趣味の牡丹さんも荷物がいっぱい。そこで牡丹さんは引越してきたのです――温泉街のつぶれたホテルに。ここなら部屋も広いし温泉はあるし。普通の家よりちょっと高いくらいでこれはお買い得、30年ローンで返すわと張り切る牡丹さん一家の前に現われたのは温泉を気に入っている幽霊のゆきやなぎさんでした。
4251041925牡丹さんの不思議な毎日 (あかね・ブックライブラリー)
柏葉 幸子
あかね書房 2006-05

by G-Tools


続きを読む
posted by kmy at 19:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月13日

『へそまがり昔ばなし』

4566014215へそまがり昔ばなし—ロアルド・ダールコレクション (12)
Roald Dahl Quentin Blake 灰島 かり
評論社 2006-07

by G-Tools




 ダールをまとめて借りて読んだので、こちらも。このパロディ、かなりわたし好みです。

続きを読む
posted by kmy at 10:53| Comment(7) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『いじわる夫婦が消えちゃった』『アッホ夫婦』

4566014258マチルダは小さな大天才—ロアルド・ダールコレクション (16)
Roald Dahl Quentin Blake 宮下 嶺夫
評論社 2005-10

by G-Tools




ロアルド・ダールコレクション 9
ロアルド・ダール著 / クェンティン・ブレイク絵
評論社 (2005.9)


 ダール作品翻訳読み比べ第二弾! なーんて、大袈裟なものでもないですが、この物語はとにかく面白い! 何が面白いって、それはこの夫婦のえげつないやりとりと結末のおかしさ。

 続きを読む
posted by kmy at 10:37| Comment(6) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

『マチルダは小さな大天才』

4566014258マチルダは小さな大天才—ロアルド・ダールコレクション (16)
Roald Dahl Quentin Blake 宮下 嶺夫
評論社 2005-10

by G-Tools



 『天才ダールのとびきり料理』を見ていたら、読みたくなったのが『マチルダは小さな大天才』。ダールのこの作品を読んだのは大人になってからですが、お気に入りのひとつです。
 マチルダの両親と言うのは大変ひどいひとたちで、父親はインチキ商売にせいをだし、母親は子どもをおいてビンゴに夢中。2才で字が読めるようになった自分の娘のことなんかおかまいなし。むしろ、ひどい悪がきだと思っています。マチルダは自分で図書館に行き、ディケンズやオースティンなどつぎつぎに読破していき、4歳になったある日、ようやく小学校に入学します。そこでは理解者ミス・ハニーと出会いますが、また恐ろしい敵の女校長ミス・トランチブルにも出会います。この校長がまた凄い! 
続きを読む
posted by kmy at 14:30| Comment(9) | TrackBack(2) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

『天才ダールのとびきり料理』

4566004465天才ダールのとびきり料理
ジョウジー ファイソン
評論社 1995-10

by G-Tools


 現在品切れ中のこの本ですが、以前からお気に入り。たびたび図書館で借りては眺めています。イギリスの作家ダールということで、イギリス風のお料理なので、実際に作るとなるとなかなか難しいものがあり、材料でも「?」のつくものも結構でてくるんですが、物語に出てくるお菓子や料理をよだれをたらさないように頭の中で味わう本。

続きを読む
posted by kmy at 13:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月22日

表現についての雑感

 考えても考えても、わたし自身の中で全然まとまらず、解決もしないことばの問題があります。それは、差別語についてのこと。
 先日、ダールの『チョコレート工場の秘密』を比較したときにも気にかかったことなのですが、ダールの旧訳版(田村隆一訳)のものは差別語が使われているということで気になる方も多いようです。毎月児童書・絵本をとっている書店のお便りに掲載されていました。(ひろはメルヘン2006・7 リンク先は毎号変わるようなので、1ヶ月程度で変わると思います。内容は『父さんギツネバンザイ!』(R.ダール作 田村隆一訳)に差別表現があるということで気にかかるということでした)

続きを読む
posted by kmy at 15:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月08日

新旧翻訳比較『チョコレート工場の秘密』

 はじめに断っておきますと、子どものころから『チョコレート工場の秘密』が大好きだったので、田村隆一氏による旧訳は馴染んだ年月の分だけ思い入れもあり、贔屓目に見てしまいます。「やっぱり『チョコレート工場』は田村さんの訳でなくっちゃ!」と思っていましたが、新訳には新訳のよさがありました。そして比べてみて旧訳のよさも見えてきました。(この先かなりの長文です)

続きを読む
posted by kmy at 13:30| Comment(22) | TrackBack(2) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月22日

『チャーリーとチョコレート工場』

チャーリーとチョコレート工場

 わたし、映画を観るのって苦手なんです。正直に言います。「画面に向かって集中できない」タイプ。でも、このDVD、気になって気になってあれこれ考えて、5回くらい見ました。『チャーリーとチョコレート工場』です。

続きを読む
posted by kmy at 19:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月24日

『Tバック戦争』(カニグズバーグ作)

 Tバックって、あのTバックですよ、もちろん。Tバックがいいとか、悪いとかいう価値判断はちょっと待ってください。読んでみるとTバックがいいとか悪いとかいうことが問題ではないと感じるようになります。
4001155974Tバック戦争・影 小さな5つの話 (カニグズバーグ作品集)
E.L. Konigsburg 小島 希里
岩波書店 2002-05

by G-Tools


 主人公クロエは友人たちとの誓約(気に入らない髪形で一日を過ごしているときには共にプールに浸かる「浸水洗礼」を行なう)にサインすることを逃れるため、夏休みを母親の再婚相手ニックの姉バーナデットの元で過ごすことにします。クロエが浸水洗礼を逃れたいという理由があるのはもちろんですが、近頃友人たちと過ごすことが何となく楽しくないのです。クロエ曰く、「皆と同じように合わせるか、風邪を引いた振りをするか」しなくてはいけない。
 バーナデットはペコ市で「ザックの移動食堂」(バンを船着場などに止めてサンドイッチ、コーラ、ホットドックなどを販売する)で働いています。クロエは来た早々からこの仕事の手伝いをすることになるのです。この仕事は場所が命。いい場所を取れればそれだけ売り上げが上がったのですが、ある日ザックの恋人で同業者のワンダがTバックを着て販売を始めると状況が一変します。お客は皆ワンダの元に……しばらくするとザックの移動食堂で働く従業員が皆Tバックを着るようになるのですが、バーナデットはTバックを着用することはありません。Tバックに対立する組織「反T」、ワンダの妹ベルマの息子タイラーとクロエとの関係、バーナデットの毅然とした態度にTバックを発端とした事件はどんどんと大きくなっていくのですが……。


続きを読む
posted by kmy at 11:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月11日

怪談の結末

 夕食を終えた時間、何か音が聞こえた。オルゴールのような音のメロディ。
「携帯電話じゃないのか?」
「ママのケータイ、あんな曲入っていなかったよ」
「どこから聞こえた?」
「あっちのほうだったような……」
「お・ば・け、じゃない、きっと」 

 おばけと聞いたら読み終わったばかりの本を思い出しました。



 「怪談」好きな大学生と教授が集まる怪談クラブに隆司くんは参加することになりました。今日がその怪談クラブの集まりの日。そこで隆志くんや大学生が各々怪談を語って聞かせていくのですが……。
4035403008うらからいらっしゃい―七つの怪談 (偕成社ワンダーランド (30))
斉藤 洋
偕成社 2004-10

by G-Tools


続きを読む
posted by kmy at 15:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月26日

『チョコレート工場の秘密』その2――もっとも好きだったあの場面

 『チョコレート工場の秘密』、タイトルの「秘密」という部分、子ども心に惹かれるものがありました。原題『チャーリーとチョコレート工場』よりも素敵です。この物語のチョコレート工場は鮮やかで奇怪で不思議なところ。一度行ってみたいと思いつつ、わたしはチョコレート工場へ入るための「金色の券」が当たるまでのの部分のほうが好きです。

(この後ネタばれ)

続きを読む
posted by kmy at 18:10| Comment(9) | TrackBack(2) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月25日

『チョコレート工場の秘密』その1――表紙が違う!

DSC00426.JPG
『チョコレート工場の秘密』
ロアルド・ダール作 田村 隆一訳 (てのり文庫 評論社 現在絶版です)


 話題の映画の原作です。先日妹が来たときに「持ってなかった?」と聞くので、「旧訳」だけど、ということで一日貸し出しました。妹は読めればどっちでもいいし、昔読んだような気がするけどすっかり忘れた。覚えているのはわたしがそういえば本を持っていて緑色のカバーだったということだけらしい。子どものころから本を買うといえば文庫派で、値段も安いし持ち運びに便利、というわけでハードカバーは買わなかった(買えなかったとも言う)。その後1988年に文庫で『チョコレート工場の秘密』が出たので迷わず買ったのが上の写真の本。

続きを読む
posted by kmy at 11:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月04日

友達って……

オンライン書店ビーケーワン:透きとおった糸をのばして
『透きとおった糸をのばして』
草野 たき 講談社

 友達って何だろう。友達と知り合いの違いってなんだろう。それはなんとなく「感じる」もので、説明できるものではない気がする。続きを読む
posted by kmy at 17:22| Comment(6) | TrackBack(1) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月17日

『ロールパン・チームの作戦』(E.L.カニグズバーグ作)

 箱にいれてしまっておきたいようなことばがたくさんある、カニグズバーグの作品を読むといつもそんな気分になります。その中でもお気に入りの作品が『ロールパン・チームの作戦』(現在出版されている作品集では『ベーグル・チームの作戦』に変更)。
4001121158ロールパン・チームの作戦 (岩波少年文庫)
松永 ふみ子
岩波書店 1989-05

by G-Tools

続きを読む
posted by kmy at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。