2005年11月10日

HOGETA → HOIZA (『エンソくんきしゃにのる』)

 エンソくんです。エンソって何? 遠足のことじゃない、と言ったのは娘です。ちょうど遠足の前に借りて来た本だったから遠足のことで頭がいっぱい。でもページを開くともっと気になることがありました。それは「ほげたえき」。
4834010457エンソくんきしゃにのる (こどものとも傑作集)
スズキ コージ
福音館書店 1990-09

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「ほげたってほげたさん?」と娘がすぐに気がつきました。もしかしたら、あのほげた? スズキコージの中では「ほげた」ということばはきっと特別なものに違いないのです。エンソくんのおじいさんの住んでいる終点は「HOIZA」駅です。「HOIZAってほいさくんのことじゃない?」と娘。またまた気になることばが出てきます。福音館書店のページでの紹介文『エンソくんきしゃにのる』では
ほげた町からおじいさんの田舎ほいさまで

と書いてあるのを見ると、HOIZAは「ほいさ」と読むのが正解なのでしょうか? そうなるとこの絵本が浮かびます。

オンライン書店ビーケーワン:やまのかいしゃ

『やまのかいしゃ』
スズキ コージ作 片山健絵 架空社 ¥1,680

ほげたからはじまり、ほいさで終わるエンソくんの世界。その意味不明ながらも気になることば「ほげた」と「ほいさ」です。違う本に同じことばが出てくるのってとっても気になります。ある意味村上春樹さんの本に通じますね。同じものとしてではないのに、同じことばを違う本で使うことというのは、何か意味深で好きなのです。

 全然紹介にもなっていませんね。えーっと、エンソくんの見所といえば、駅弁とか、羊も汽車に乗れるんだ、ってことでしょうか。駅弁のコロッケ、凝っています。実際にこれを作ってあげるのは非常に大変だと思います。エンソくん、おいしそうに食べていますが、コロッケの周り、ごはんじゃないんですよね。びっしりと詰まったとうもろこし! 不思議な駅弁です。それに羊たちも当たり前のように汽車で移動しているのがおかしいですね。しかも弁当持参(草)を汽車の床にどさっとだしちゃうし。座席の羊たちは手(前足?)で草を食べているのが笑えます。案外お行儀がよろしいようで。
 謎の町ほげたのを抜ける汽車のトンネルを抜けるトラックに乗った妙な生き物(馬でも鹿でもないし、猛獣でもない。豚のしっぽをつけたよつんばいのカンガルーのように見えます)とか、おじいさんが乗ってきている一角の牛のような生き物とかもおかしい。ここは普通の世界じゃなかったんだ、と思ったりしてしまうのです。妙に引かれる不思議な世界。
 羊飼いと羊たち、どこへ向かうんでしょうか。山道を登ったその先は? ほいさ駅で降りたのはエンソくんと羊、羊飼いだけなんですよね。

「きっと、エンソくんちとまるんだよ」

 そう言ったのは娘ですが、山を登った先に羊たちがくつろげる世界が広がっているのかも。エンソくんワールドは見ていて飽きません。
 エンソくん、響きは「塩素」のような気がするけど、ほげたは「帆桁」? わからないことが魅力です。でもきっと響きが好きなんでしょうね。固有名詞的な響きがするような、しないような、そんなことばの出てくる絵本でした。
posted by kmy at 17:02| Comment(2) | TrackBack(0) | スズキコージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あのお弁当、気になりますよね〜。間違いなく絵本界の3大珍弁当に入るでしょう(笑)。羊コロッケの中身はやっぱりマトンのひき肉なのかな、などと考えるのも楽しい。

スズキコージさんの世界って、絵だけでなく文中のことばも本当に独特で面白いですね。「サルビ!」「ビルサ!」なんて言いあいながら戦ってたり…「やまのかいしゃ」は片山健さんが絵を描かれているのに、駅の名前で間違いなくスズキコージワールドだと分かるのが面白いですね。スズキコージさんと片山健さんというどちらも負けずに「濃い系」の作家さんが組んでるだけあって、一度読んだら忘れられない作品ですよね。私はドドドーと社員を引き連れて社長がやってくる場面がお気に入り。この作品のスズキコージ作画バージョンも読んでみたい!
Posted by えほんうるふ at 2005年11月19日 17:51
えほんうるふさん、コメントありがとうございます♪
スズキコージさんの濃い絵と意味深な造語が気になるエンソくんです。絵本界3大珍弁当、えほんうるふさんなら何を選ぶだろう?なんて思ってしまいました。機会があれば、ぜひご意見を伺いたいですね。
(駅弁で思い出すのは「こんとあき」ですが。オトナノトモのあげどん弁当の記事を思い出しました)
『やまのかいしゃ』、のほほんとしていてすきです。
社長もおおらかですが、「ぜんぜんもうからないので」というあたりは冷静な判断で笑ってしまいます。スズキコージ作画バージョンも読んでみたいです。
何冊か読んでいる割に、はっと気づくと我が家所有のスズキコージ氏の絵本が少ない! 保育園に薦めてか入れてもらったり、図書館で借りあさっているので常に家にはあることはあるためで、購入していない不届きなファンです。いざ買おうと思うとどれにするか悩んでしまいます。
『サルビルサ』未読です。これは欲しいのです。(行きつけの図書館の蔵書にないんです。さらに気になってます)
Posted by kmy at 2005年11月19日 20:34
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