2005年10月20日

『絵の中のどろぼう』

オンライン書店ビーケーワン:絵の中のどろぼう

『絵の中のどろぼう』
友部 正人文 / スズキ コージ絵 ばるん舎  
¥1,050(bk1で¥945と表示されていますが、¥1,050でした)
 
 まず、タイトルがいいでしょう。そそられる感じで。鮮やかな(毒々しいともいう?)絵ではなく、モノクロの落ち着いた色合いがお話にぴったりした絵本です。

 この絵本、以前訪れた絵本美術館に置いてあり、とても気に入りました。走り逃げる泥棒のシルエットが三日月に照らされ、こんな風に始まります。
絵の中にかくれたどろぼうがおりました。
「しめしめ、ここなら見つからないだろう。
しばらくここにかくれていよう」
どろぼうは、そのまま眠ってしまいました。

 なかなか賢いですね。絵の中に隠れたなんて、誰も知らないんです。だから、ときどき絵からでてきては、持ち主にいたずらをするんです。「きみは子どもかい?」と突っ込みたくなるようなことばかりするんです。そんなどろぼうの結末は……読んでみてのお楽しみ、ということにしておきます。これから読まれる方もいるかと(いるといいなぁ)と思いますので。
 ところで、このどろぼう、いったい何を盗んだんでしょう? どろぼうというからには「何かを盗んだ人」なわけですが、それはさっぱりわかりません。このどろぼうが欲しくて盗んだものはお金なのでしょうか、宝石なのでしょうか。絵の中に隠れたときも持っていたのでしょうか。わからないだけに、その盗んだ何かが気になってしまいます。あーなんだろう?
 結構このどろぼうは最初いかにも悪人臭い雰囲気の顔なんですが、少しだけ顔つきが変わります。それは「恋をしたから」(気になる場合はドラッグしてみてください。ネタばれです)。さすがスズキコージの絵だけあって、絵から出てきたときのみょーんと伸びた足なんかが見ものですよ。

 この本を思い出したら読みたくなって図書館で検索したのですが、近くの図書館には入っていなかったのです。だったら買おうかな、と思って調べたら「現在お取り扱いできません」の文字がbk1に載っています。あーあ、絶版か。古本でもいいから探してみようかな、と思いつつ出版元サイトを見てみました。もしかして残っているかも、思って電話をしてみたところ、「在庫ありますよ。お近くの書店で注文してください」とのことばが! やったー!と思いながら、一番信用している子どもの本の専門店メルヘンハウスさんに注文して送ってもらいました。
 絶版とか入手不可能なんて書いてあると、意地で欲しくなってしまうことってありません? そういうわけで図書館にもない、絶版かもと思ったら買い求めてしまいました。
 
 どこかの絵に入ってみようか、それとも、やめておこうかな。入ってみるならこの絵本の中に入ってみたい気がします。

posted by kmy at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | スズキコージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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