2007年12月16日

『16品の殺人メニュー』

410218609316品の殺人メニュー (新潮文庫)
アイザック アシモフ Isaac Asimov 東 理夫
新潮社 1996-12

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 ダンセイニの名作「二本の調味料壜」が収録されているアンソロジー。「食」にまつわるミステリーを16篇集め、スープ、前菜、メイン、デザートという順番に並べています。メインには有名なダールの「おとなしい凶器」とエリンの「特別料理」。

 この中ではやっぱり「二本の調味料壜」がよかったなあ。タイトルずばりだし、直接出来事はかたられないけど、この調味料を通じてわかる事件、こういう書き方はやはりいいです。わかっているけど、じゃあこれとの関連は、という謎解きで、最後の一文「食欲を起こさせるためですよ」(ネタばれのため反転読みで)が効いています。

 エリンの「特別料理」は何度か読んでいますが、そのレストランの描写とか、味わっているときの描写とかどきどきします。スビーロの話やラフラーの様子にもどきどきします。じわじわとくる感じのよさです。

 明確な殺人事件という感じではないのですが、「いつもの苦役」のような描き方は好きです。謎解きではなく、はまり込んでしまって抜け出せないという状況、という作品です。

 個人的に茸のシチューはなんとなく美味しそうな気がしました。実際に作っている場面もあったからかもしれません。

収録作品メモ
【スープ】「チキン・スープ・キッド」(R・L・スティーヴン)
【前菜】「茸のシチュー事件」(ルース・レンデル)
【第一のコース】「毒薬・ア・ラ・カルト」レックス・スタウト)
【野菜】「凶悪な庭」(キャロル・カイル)
【メインコース】「特別料理」(スタンリー・エリン)
        「おとなしい凶器」(ロアルド・ダール)
【香辛料】「追われずとも」(アイザック・アシモフ)
     「二本の調味料壜」(ダンセイニ卿)
【飲み物】「使用済みティーバッグ窃盗事件」 
     (エドワード・D・ホック)
【飲み物】「亡命者たち」(T・S・ストリブリング)
【デザート】「幸せな結婚へのレシピ」(ネドラ・タイアー)
      「死の卵」 
      (ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリング)
       「ノルウェイ林檎の謎」 
      (ジェイムズ・ホールディング)
【ナッツ類】「ギデオンと焼栗売り」 
      (J・J・マリック)
【食後の腹ごなし】「いつもの苦役(グラインド)」
         (ビル・プロンジーニ)
【飼犬へのお土産】「ドッグズボディ」
         (フランシス・M・ネヴィンズJr.)
posted by kmy at 20:01| Comment(4) | TrackBack(0) | アンソロジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よ、読みたいっ!
探してきます。
Posted by 香香 at 2007年12月19日 22:16
香香さん
よく出回っているようなので、すぐ見つかると思います。ダンセイニのラストの一文、いいですよ♪
そういう仕掛けだったのね、と。
Posted by kmy at 2007年12月20日 18:54
おいしそう!いや面白そう。
アシモフにレックス・スタウトにルース・レンデル、おなかいっぱいになりそうですね。
書籍代自粛しているんですが・・・買っちゃいそう。
Posted by ぴぐもん at 2007年12月22日 20:14
ぴぐもんさん
茸のシチュー、なかなか美味しそうでした♪
書籍代自粛、同じくです。
この本を読んだ後、スタンリイ・エリンが読みたくなって文庫を注文してしまいました。
自分へのささやかなクリスマスプレゼント、という感じです。今日当たり届くはずです。
すでに24日、メリークリスマス☆
よい日となりますように!
Posted by kmy at 2007年12月24日 13:49
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