![]() | 恋愛中毒 (角川文庫) 山本 文緒 角川書店 2002-06 by G-Tools |
山本文緒さんの文章は痛い。自分の奥底にひっそりしまっておこうと思うようなコンプレックスをやすりでこすり出していくような、そういう文章を連ねています。思い出すというよりは既視感。状況的には一種のシンデレラ状態なのだけど、気持ちは浮き立たない。心は正反対にどんどん落ちていく感じ。この状態がいつまでも続かないという危機感、よかれと思って選択し行動しているのに、結果は伴わないという絶望感。でも、どこをどうすればよかったのか……読者に考えさせます。
表面的に見えている生活を中心にして描かれていく裏に、隠された一面があり、驚きを与えるという効果を持っています。『シュガーレス・ラヴ』も同じような手法かな。オチ的なものがあります。
山本さんの本はアマゾンユーズドでも100点以上出品があります。売れているけど手放す人も多いのでしょうね。幸せ気分のときは読まないし、かといって辛すぎるときに読むにはちょっと薬よりも毒になりそうな気がします。
ところで、アマゾンのユーズドで出品されている数が多い本って何だろう?と気になってしまいました。いわゆるベストセラーで凄く売れた本って凄い数のユーズドが出てますね。これとかこれとか。これなんか映画になっただけあって、凄い数の古本があるのね。なんだか複雑な気持ち。読まれたけど、もう読みたくない、流行のその後という感じで。



でも、薬師丸ひろ子主演のドラマを観ちゃったしなぁ。
自分にも、そういう部分ってきっとあるのね…という感じです。
山本文緒さんはうつ病だったことがある、と少し前に告白していました。自分の気持ちも他人の気持ちも大切にしすぎたのかしらん。
でもそれもきっと作品に生かされているのでしょう。それが作家なのでしょう。
最初と最後の「これ」はうちにもあります(笑)。
どちらもメディアで話題になる前に買ったもの。
最初の「これ」は話のネタにいいです。
最後の「これ」は、ホントにラストびっくりしました。もう、「そういうことかっ!」って、叫んでしまったほど。これは夫と一緒の本を必ず読んでた頃だったので、ふたりして「すごいすごい」を連発してた憶えが…。
ユーズドにたくさん出品されてるのを見ると、特に都会では他人と話を合わせるためだけに読書するひとが多くて、好きじゃないんだなぁ、なんて思ったりします。
または収納の問題とか、図書館で借りるのはイヤとか。
読むということが消費されるだけみたいで、ちょっと寂しいですね。
ドラマになっていたとは知らず、流行にも疎いわたしでした。結構「負」の感情があふれ出してくるような感じでした。うまくやっているつもりが、思うように行かないという現実、なんだかわかるなあって。
「これ」とか「これ」はどれも読んだことがないのですが、確かに物語が消費されていると感じました。(物語でもないかもしれないものもあるけど)
話題になった映画とかドラマとか、そういうことで本を手にとるというのは、その物語が好きだからというのとちょっと違うのかな、と感じました。
100万人が泣いた、笑った、感動した本、飽きられるのも早いのかと思うとちょっと寂しいものですが、流行っていないときに思いがけず気に入って読むのもいいものかもしれないと思いました。