2007年08月04日

タイムマシンについて考えていた

4794212232タイムマシンをつくろう!
P.C.W. デイヴィス 林 一
草思社 2003-06-18

by G-Tools



 『夏への扉』からタイムマシンについて引き続き考えてみようと思い、図書館にあった本を借りてきました。この本を読んでみて、改めて物理がぜんぜんダメだということが判明しました。
 全然知りませんでしたが、移動速度を速めた物体では時間の進み方が遅くなるというのです。なので、光速に近づけて動く物体に乗れば、その乗り物は時間の速度が遅くなり、理論上未来に行けるというのです。でも、これには障壁があります。E=mc²、エネルギー・質量保存則だそうです(すっかり忘れています)。これが重要。運動エネルギーは質量を持つので、エネルギーは重力を持つ、光速に近づけて加速するとより粒子が重くなり加速が困難になるというのです。ということで、理論上は可能でも、実際には無理ということになるのですが……。

 このあと、物理的な話が続き、ブラックホール、ワームホールへ進みますが、うーん、物語に出てくるようなお手軽なタイムマシンとはちょっと違う。理論として考えるとどうも無理そうで今ひとつ。
 第3章では「Q&A」としてパラドックスの問題についても解説していますが、現在未来人がタイムマシンに乗って現れていないのはタイムマシンが不可能だからではなく、タイムマシンがまだ発明されていないからであり、発明された時点までは過去に戻れるというような解説がありました。「もう一人の自分に会う」「未来の知識を持ち帰る」などのことも書いてありますが、結論が物理的な話になってよくわからない……のが本当のところ。で、「自分に会う」という結論はこんな感じ。
物理学者の視点から見れば、対象を複製するというのは非常に厄介な事態だといえる。というのは、あらゆる種類の保存法則を破っているからだ。(略)しかし、またもや自己無矛盾なループにしがみつくことでパラドックスは避けられる。たとえば、せいの帯電粒子をワームホールに通せばホールを貫く電場が残り、結果としてワームホールの入り口(未来)にはせいの電荷を、出口(過去)には負の電荷をもたらす。出口側に生じた負の電荷は、時間をさかのぼるたびをして増加した正の電荷を正確に打ち消す (P152〜153)

 よくわからないのです。というわけでこの本からの収穫は、「超高速で移動すると時間の進み方が遅くなる」ことと、小説『タイムライン』(マイクル・クライトン作、ハヤカワ文庫)と『太陽の黄金の林檎』(レイ・ブラッドベリ作 ハヤカワ文庫)が面白そうということでした。あまりに物理的に解釈しすぎなくても、タイムパラドックス小説は面白ければ、それでいいかも。タイムマシンの理論より、タイムマシンの論理が好きなだけかもしれないです。ブルーバックスの似たような本は読むのを断念しよう。
この記事へのコメント
私はタイムマシンもワープ航法も実現できないと思っています。だからといってSFはナンセンスなどという気は毛頭ありません。私も結構読んでますしね。
実現できていない技術について真剣に考えるのは実は無駄なことなのかも知れないのですが、それこそがSFの楽しさでもあるんですよね。
Posted by piaa at 2007年08月08日 21:07
piaaさん
実際問題として、今、現時点にタイムマシンで未来からくるということも無理だということは確実なようですけど、物語の世界としては存在でき、そこで矛盾をどう物語で解決するか、「もしも」の世界での人間はどうなるのか、という語りは色あせないと思いました。
物語でしか表現できない世界や感覚があるから、物語を読みたくなるのかもしれない、と思います。実際、わたし自身はあまりノンフィクションは読むほうではないです。
Posted by kmy at 2007年08月09日 10:04
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