2005年07月03日

雨の日のかさの色は

 雨です。雨です。 雨の日といえば『青い花』。
 かさの修繕屋さんのお話。降り続いた雨で壊れたかさの修理が増え、いつもより多くのお金が手に入った修繕屋のわかもの。まっ白いカーテンやギターを買おうと思っていたところ、かさを持たない女の子を見て、女の子にかさを作ってあげることにします。そのかさは海の色にも似ているし、青い屋根の家にいるような気分になります。その修繕屋さんが作った青いかさが流行し、ちょっとしたお金が手に入ります。にわかに沸いた幸運。欲しかったカーテンやギターも買います。しかし、この物語はここで終わりません。だから惹きつけられるのではないかと感じます。少し多くなったお金。そして忘れてしまったもの。失いそうになっていたもの。『青い花』の物語は少しのお金と引き換えてにしてしまいそうなものを思い起こすような気がします。
 このお話のタイトル『青い花』というのは最初に読んだときから面白いなあと思いました。『青いかさ』ではないんだ、『青い花』なんだと。安房さんの物語のタイトルはその中心になっているもの(ここではかさ)ではないというところにも惹かれます。読んでみると、かさではないというのに意味が込められているように感じます。(前に書いた『丘の家の小さな家』と似たような感覚です)

 以前青いかさを買ったことがあります。どちらかといえば紺に近い青で海の色とは違っていましたが。そのかさは当時のわたしにしてはとても奮発して購入したもので、『青い花』を思い出しながらさしたものでした。しかし、やっぱりというか、そのかさを忘れてきてしまったのです。普段めったに乗らないのに、その日に限ってタクシーで帰ったのです。そして、かさはタクシーと共に消えていきました。その後に何本かかさを買ったと思いますが、他のかさのことは何も思い出せないのです。次に買ったのはどんな傘だったのか、緑だったか、ベージュだったか、色すら覚えていません。青いかさ、物語と一緒に想い出です。

短編なので、以下の本に収録されています。
4265010016まほうをかけられた舌 (フォア文庫 A)
安房 直子
岩崎書店 1979-01

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※安房直子コレクション、欲しいのですがなかなか買えないです。悩んでいるうちに絶版になってしまうと困るけど……。
posted by kmy at 17:21| Comment(2) | TrackBack(1) | 安房直子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
kmyさんはじめまして〜♪私は、みるりんと申します。昨日はTBありがとうございました〜。安房さんの作品って読んでいるうちに、不思議な世界に連れて行ってくれますよね・・・『青い花』大好きなお話しです。梅雨のこの時期は『青い花』がぴったり♪私は、今は『天の鹿』が読みたいんですけど、絶版だから無理なんです。でも、安房直子コレクションを、買えればなぁ・・・うーっ予算がキビシ〜イ(汗)
Posted by みるりん at 2005年07月04日 01:13
みるりんさん、コメントありがとうございます♪
作品が多いのと絶版が多いのとで、買うときも悩み、借りるときも「どの本に入っているの?」と悩んでしまいます。コレクション、一冊だけ買うのも変だし後で後悔しそう、と思いますし、揃えるのにも結構な額がかかるのと、掲載されている物語のいくつかが手持ちと重複してしまうのも悩みです。『天の鹿』はまだ読んだことがないので、とりあえず図書館を利用したいなと思います。

Posted by kmy at 2005年07月04日 09:49
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