2005年06月17日

おばけになってみる?

4834002187ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)
せな けいこ
福音館書店 1969-11

by G-Tools



 ねないこはおばけになってとんでいってしまう……それはそれは恐ろしいお話です。夜中に遊んでいるとおばけになって二度と戻ってこれない、だから寝なさい!と諭す母親。おばけになったら、どうなっちゃうの?obakekazoku.jpg
『おばけかぞくのいちにち』
西平あかね さく こどものとも年中向き 2003.8
福音館書店
4834022099おばけかぞくのいちにち さくぴーとたろぽうのおはなし こどものとも傑作集
西平 あかね
福音館書店 2006-07-05

by G-Tools




 起床して子どもたちは保育園に行き、そしてお父さんはお仕事に。お母さんは洗濯したり買い物したりして忙しい、これは人間の一日ではなく、おばけの一日の様子なのです。あら、意外とおばけって人間らしい暮らしをしているのね、と思わず笑ってしまう本です。 おねえちゃんおばけのさくぴーと弟おばけのたろぽうがしょうもない言い争いをしているあたりがまた、「こんな家族、絶対いる、もしかして我が家のこと?」と思ってしまいます。
 もともと、おかあさんがさきちゃんとたろうを寝かしつけるために「早く寝ないとおばけになっちゃうよ」とおどすつもりだったはずなのに、子どもたちに「おばけって何してる?」と聞かれておばけの生活の話にすりかわってしまったところから物語が生まれ、そしてそれがどんどん現実化していく、そんな印象を受けます。おばけの世界と人間の世界は分離しているのではなく、仲良く共存していることがお話をさらに楽しくしています。
 おばけお母さんが買い物に行くおばけマートにはお母さんたちも惹きつけられます。営業時間はPM9:00〜AM4:00。そこで取引される数々のおばけ食品。うそつきばななにかえるのへそ、どくきのこ……。買い物を済ませて作るお料理には欠かせない?おばけ調味料「コウモリしょうゆ」、欲しいなぁ。おばけのしょうゆだけに味は「ぞっ!」とするかもしれませんね。
 おばけの新聞に挟まってくる広告、おばけも人間も女性の悩みは一緒らしい。「やせた」の文字が意味するのは、そう、あれしかないでしょう、ダイエット。こんなチラシが入って来るのです。
 この絵本で気になる脇役は「ねこ」。ねこたちはおばけの世界と人間の世界、両方を楽しく行き来しているのです。ねこの仕事、ねこの集会(?)に行くのかな?などと想像させます。おばけの生活、ちょっと体験してみたくなります。

obakeotukai.jpg
『おばけのおつかい』
西平あかね さく こどものとも年中向き 2005.7
福音館書店

 そして新作の『おばけのおつかい』で、おばけたちの世界がよりいっそうわかるという楽しみ。おばけの休日の過ごし方から始まり、人間関係ならぬおばけ関係が広がります。今回の見所はといえば、おばけ視点で見た周りの世界。意外と人間たちの知らないところで、あんなこと、こんなことがあるんだという発見の楽しさといえるでしょう。おばけたちも親類がいて、団地があって、おばけ以外にも小さな生き物たちがおばけの世界と関わりをもって生きています。
 気になるおばけ御用達アイテムも増え、おばけの赤ちゃんのオムツはちょっと衝撃的な感じ。おばけのおやつや調味料は人間とはひと味違う。そして今回の絵本にはなんと、おばけ料理のレシピ付き! おばけマートで材料揃えて作らなくっちゃ!という想像の楽しみがさらに広がっていきます。わたしがいちばん気になるおばけアイテムはといえば、おばけのみりん「みーリン」。とにかくイラストで納得の調味料。そうそう、うちもみりんが切れていたっけ、さっそくおばけマート、ではなくてスーパーに買いに行かなくっちゃ。
 今日は真夜中まで遊んでおばけになってしまおうかな? でも、おばけになってもお母さんの仕事って変わらないのでありました。

(画像は福音館書店に問い合わせの上、利用させていただきました)


posted by kmy at 15:51| Comment(4) | TrackBack(2) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB&コメントありがとうございます。
この絵本おもしろいですよね。
おばけというのもに親しみがわく絵本ですね。
Posted by canaco at 2005年06月22日 15:00
canacoさん、コメント&TB、こちらこそ大変光栄です!
このおばけかぞくのお料理はままごと気分そのままでとても楽しいです。おばけシリーズ続くと嬉しいです♪
Posted by kmy at 2005年06月22日 19:58
こんばんは。えほんうるふです。
「ねないこだれだ」がトラウマという人も少なくないようですね。確かに有無を言わせない怖さがある絵本だと思います。私はこの読み手を突き放す感覚がこのシリーズの味だと思って気に入ってますが。
一方もうひとつのおばけシリーズは、うちの子ども達も大好き。おばけが怖いのは、得体が知れないからで、自分たちと似たような生活をしていると思うと、妙に親近感がわいて怖くなくなるらしい。しかもこの絵本のおばけたちは妙に生活感あふれていて可愛いですよね。
Posted by えほんうるふ at 2005年06月27日 00:12
えほんうるふさん、コメントありがとうございます。
『ねないこだれだ』から強引におばけ絵本つながりとして結びつけてしまいましたが、救いのない怖さを持つ『ねないこだれだ』と明るく楽しい庶民的な『おばけかぞく』、おばけ同士でまるで印象が違う二冊、どちらもお気に入りです。
Posted by kmy at 2005年06月27日 14:25
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

「ねないこ だれだ」
Excerpt:  ねないこ だれだ 作・絵:せな けいこ 出版社:併館書店 定価:¥630 保育園で何度も読んでもらった定番の絵本です。 「よなかに あそぶこは おばけに おなり  おばけの せかいへ とんでいけ..
Weblog: 絵本だいすき
Tracked: 2005-06-21 21:25

「おばけかぞくのいちにち」「おばけのおつかい」
Excerpt: 「おばけかぞくのいちにち」 西平あかね(こどものとも年中向き209号) 「おばけのおつかい」 西平あかね(こどものとも年中向き232号) 去年「こどものとも」でデビューされたばかりの西平さん。..
Weblog: こども生活レビュー
Tracked: 2005-06-22 14:57
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。