2005年05月18日

誰かに手放され、誰かのもとへ。

 古本屋へは普通の本屋とは違う気持ちで出かけていきます。新刊の本屋さんでは出会わない、昔読んだ本に出会うとなんだか嬉しくなったりします。意外な本が意外な価格、暇つぶしにちょうどよい文庫本は缶コーヒーより安いという面白さがあります。

 ここに置いてある本は一度は誰かが手にとって、そして飽きて、あるいは読まなくてここに来ているんだって思ってしまいます。誰かには受け入れられなかった本がもっと相性の合う人間を待っているんだ、そう感じてしまいます。あんなに面白かった本、あれほどブームになったと言われたほんも、誰かの手から離れていくらかの小銭と引き換えにここに来ているんだな、なんてことも考えます。でも、やっぱり値段は魅力かな。先日、岩波少年文庫の『星の王子さま』が1円で売っていたので思わず買いました、つい。
 
 思いがけない一冊を楽しみに出かけていくのですが、このあいだ出かけて行くと『ちいさなちいさな王様』が並んでいるのを見つけました。ふと思ったのです。この本を売った人は『ちいさなちいさな王様』が必要なかったんだな、って。映画の「アメリ」(わたしは見てないんですけど)の影響で、ゾーヴァの絵が好きで買ってみたのかも、でも絵はいいけど中身は面白くないって思われたのかな。誰か買ってくれる人、いるのだろうか、それともずっとあの本みたいに前来たときと変わらずここにあるのかな。いろいろなことを考えてながら、つい手にとってしまいました。結構状態もきれいです。帯もついています。中を開いてみて、発行は2004年11月。新しいも新しい、去年のなんだ。で、値段は「こちらのハードカバー全て100円」。え、そんなに安いの? 何だか気分は複雑。お気に入りの本が、安くていいような、古本として手放されているのが残念なような。
 王様の顔をひとしきり眺めてから、他の数冊の文庫とともにレジでお金を払いました。でも、本はやっぱり読むことがその本質だと思うのです。飾っておくのではなく。だから、誰か読んでくれる人の元に届けたいなと思っているところです。
 
 誰かの手を離れて、そしてまた誰かのもとへ。本はいろいろな人の間を巡るものだと感じています。


posted by kmy at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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