2007年03月13日

気になる原作と映画

 映画を見るのが苦手です。小物を見ているとストーリーが分からなくなる。俳優の顔を覚えられない。今の何だったの?と思っているうちに話が進んでもっと分からなくなる。原作を読んでいると、原作と違うところばかりにが気になって集中できないなどなど、いろいろ原因はあるのです。

 前に『ダ・ヴィンチ・コード』のDVD版を見ました。この映画で一番印象的だったのはソーセージ。ソーセージが出てくる場面があって、凄く美味しそうでした。太くて皮がパリッとしてこれぞ本物、食べ応えありという感じのするソーセージ。映画ほどではないけど頂き物のソーセージがあったので、観ている途中で焼いて食べました。そんなわけで、『ダ・ヴィンチ・コード』はソーセージが美味しそうだったはず、と見直したのですが、わたしが思っているよりはソーセージの出番が少なかった。この映画については、原作を先に読んでみたので、原作と違うところ(特に結末の設定あたり)が気になってしまいました。映画になることって、原作の解釈のような感じなので、どうしてもそのあたり折り合いをつけることができない性格なのかもしれません。原作=本物という意識があるからでしょうか。映画は別物として楽しめる実感はあまり味わったことがありません。

 そんなわたしなのですが、今回気になる映画があります。「パフューム――ある人殺しの物語――」です。パトリック・ジュースキント原作のドイツの小説。この小説は未読ですが、表紙が印象的で、思い出す場所があります。

 『香水』(パトリック・ジュースキント作 池内紀訳 文藝春秋)は学生時代に手にとって読まずに終わり、「いつか読む本」として気にしている本のひとつでした。大学でドイツ語関係の専門科目をいくつか履修しましたが、人気がないというか、専攻学生が少なく、平均受講学生数3人。時にはわたし1人だけという授業があり、そういうときに利用されていたドイツ語第2研究室という小部屋。こちらはドアを開けて正面に窓。両側が本棚。真ん中に長机と椅子いくつか、というシンプルな部屋。学生時代で一番利用した部屋で、授業に使ったり、そのままお昼を食べたり、院生と話したり。わたし自身のここでの成果としてはドイツ語で話せるとかすらすら読める――というレベルには全然なりませんでした(汗)が、自分の中の一部を作る要素を育てる土をもらったようなところです。
 さて、このお部屋にはたくさんの本がありましたが、ここに来る人自体が少ないのです。多く見積もって10人くらい? だから誰も読まないきれいなドイツ文学全集があり、ドイツの翻訳小説があり、その中に『香水』がありました。表紙が西洋絵画風できれいだったのと、「匂い」によって語られる物語ということで惹かれました。ここの本は特に貸し出し手続きがいるという感じでもなく、借りていきますの口約束で借りれました。もって帰ってくるとなんとなく気力がうせて、結局読まずに終わりました。返却してからも、いつも座っていた場所の正面斜め右くらいの中ほどの棚にあって、気になっていたことを覚えています。読めなかったけど、あれはいつか読もう、読もう、と思っていて、本の題名と作者、翻訳者は忘れたことがありません。

 それから10年以上になりますが、自分の中での「いつかは読む本」リストにしっかり刻まれている一冊です。それが、今回映画になってしまっていた! うーん、困った困った。これはどうしたものか。観るべきか観ずにいるべきか。
 原作を読んでから映画を観ると気になるものです。しかし、逆に映画を先に見てしまうと、原作を読んでいるときにもしかしたら映画との違いとして気になったり、結末をわかって小説を読む、ということになってしまうかもしれない。そうでなくても、せっかく面白い小説なら、何も予備知識なしに読んでみたい気がする。予告をちらっと見る限りでは、面白そうなんですよね〜。どうしよう、どうしよう、と思いつつ、実際映画館は遠くて行かないので、DVDが出てからしか観れません。映画化ということで図書館の本は貸し出し中。Amazonでは品切れ中。今すぐどうこうというものはひとつもないのだけど、本を読むか、映画を観るか、流行に惑わされずに「いつか読む」か、どうしよう。考えています。
 『香水』、読んだことがないのに、思い出のある本です。

416310660X香水―ある人殺しの物語
パトリック ジュースキント 池内 紀 パトリック・ジュースキント
文藝春秋 1988-12

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posted by kmy at 14:22| Comment(6) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『ダ・ヴィンチコード』はまだ観ていません。
というか、配役が全然自分のイメージと違うので、観てもなぁ・・・という感じです。
物語も、後半煩雑過ぎかなと思ったり。そこが面白いところでもあったんですけどね。

『香水』は、図書館にリクエストしました。
うちの図書館の蔵書にはなくて、というか、パトリック・ズュースキントの本が一冊もなかったのです。いつ入ることやら。
Amazonで先週見たときにはユーズドもたくさんあったのに、やっぱり映画が公開されると皆さん正直ですね。
でもこの映画は絵がとてもきれいだと感じました。わたしの場合は原作を先に読まないと。観た後では絶対に開かないんです(大汗
『指環物語』も・・・。

ということで、『香水』は入荷待ちなのでした。でもそれも楽しいものです。
Posted by ヤヤー at 2007年03月13日 14:56
私も、ダヴィンチコードの映画は観ていません。
暗号の解読の面白さが気に入っていたので、読み終わった後では、もう映像で見る気はしませんでした。

香水は、私も映画になる前に読もうと思いつつ、後回しにし、映画の公開が決まってから、図書館に行ったら、全て貸し出し中でした。
映画には、気になるアラン・リックマンさんが出るので観たい気もするのですが、映画のイメージで本は読みたくないので、観るなら、本を読んでからだと思っています。
Posted by 二尋 at 2007年03月13日 21:14
この映画、特に観たい!とも思っていなかったのだけど・・
映画が苦手なkmyさんが気になる映画、
ということで何だか気になってきてしまいました(笑)。

なるほど、原作はそんなに有名だったんですね。
私も基本は原作から、ですが、どちらから入っても
面白いとは思います。
原作派が映画を観ると何だか物足りない感じがすることも多いけど、映画から原作だと、
さらに細かいことを知れたようで面白い、と。

ダ・ヴィンチは映画を観て原作はまだ未読だし・・
「いつか読む本」リストに入ってはいますが、
それがいつになるやら?です(笑)。

この映画は、観ても私は読まない気はするけれど・・
観るべきか、どうしよう。予告を見る限り、
生々しいサスペンスってちょっと苦手なんですが(苦笑)kmyさんの代わりに行っておくべきかな!?(笑)

・・悩みます。
Posted by みずき at 2007年03月15日 10:34
ヤヤーさん
図書館で予約されたのですね! うーん、どうしよう、悩むところです。借りて読むかどうか……。
『ダ・ヴィンチ・コード』は読んだほうが面白い気がしました。テンポがいいといえばいいですけど。
観るか読むかは未定なのですけど、いつかは読もうと思っている作品です。『ゾマーさん』も数年前に一度借りたことがありますが、こちらも未読で返却。
ジュースキントとうまく出会えてない気がしていますが、本との出会いは時を熟して、というところかもしれません。これを機に、というところもあります。


二尋さん
映画になる本はやっぱり本として面白かったからなのかな〜と思ってしまって、だったら本で、と思ってしまいます。謎解きは読むとなるほど!と思いましたが、映画で観ると謎が謎かどうかわからなくても話がどんどん進む感じでした。
個人的には最初のラングドン教授の講義とそのメモとしておまけについていたものの内容が面白かった!(これは本には出ていなかった部分ですけど)
アラン氏も「パフューム」に出演しているようですね。映画のイメージで本を読みたくないというのはわかります。逆に自分のイメージと違うものを映画で観るものちょっと気になるかも、と思うので、なかなか映画とうまく付き合えません。
原作がこれ、と知らない作品を観るほうが性に合っているかもしれません。


みずきさん
原作は有名らしいです。ドイツの小説ではかなり売れているほうではないかと思うのです。
映画も観慣れていくといいのかもしれませんが、なかなかきちんと観たりする機会がなくて。
いろいろ前に情報を見すぎると、もう観た気になって楽しめなかったりします。(特に『賢者の石』がそうでした〜)
読んでいないのでどんな内容なのかお話できませんが(汗)、気になる本です。
「ナイト・ミュージアム」は子どもと観たいと思っています。
Posted by kmy at 2007年03月15日 13:35
いつもながらするどい切り口のkmyさん。
映画が先か 原作が先かは私も時々悩む問題です。
邦画洋画に限らず 最近ベストセラーとよばれるものは瞬く間に映画化されて それもどうかと思うんですけどね。特に邦画は もう少し原作を暖めてからつくればいいのに、と 本読みの人間は私に限らず思うことではないでしょうか。。。。どうかな?
 洋画に限って個人的な意見を言うならば、映画と原作はまったく別のものである、ということを前提にしたうえで、よくできていればそれぞれに素晴らしい、ということでしょうか。 映画になった時点でそれはもう監督のものであり 監督の解釈による作品ですよね。だから、原作とは違うものだと思って観たほうがいいのではないかな と思います。これも私の勝手な解釈ですが(笑)。読むという作業はその解釈が当然読者にすべて委ねられるわけですから 10人読者がいれば10人が頭の中でまったく違うキャラクターをつくりあげるそういうものですよね。それもまた楽し。
 指輪物語にしても 夜のピクニックにしても 薔薇の名前も 原作が素晴らしい 映画は映画として これもまた素晴らしい、そう思いました。パフューム、わたしも今 原作待ちです!楽しみだなあ。映画は雰囲気のある素晴らしいものでしたよ!
Posted by めぐりん at 2007年03月15日 20:23
めぐりんさん
すでに映画をごらんになったのをブログで拝見して、うーむ、観たいなあ、と思ったのです。
映画と原作はまったく別物でよくできているというので納得して観たいものだな〜と思っているのですが、なかなか思うように消化しません。
『薔薇の名前』も映画あるんですね。この本も「いつかは」と思いつつ、どうしていつも全然違う本を読んでいるのか、自分で自分がわからなくなる〜(笑)
あの物語が映画化!と謳っていても、映画は映画なんですよね、うーん、うまく付き合いたいものです。
原作はとにかく、いつか読みます。
Posted by kmy at 2007年03月16日 14:48
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