2007年03月02日

『そらとぶおうち』

soratobu.jpg

『そらとぶおうち』
槇ひろし作 前川欽三・槇ひろし絵
こどものとも年中向き 2007年3月号

 あれ、どこからが本物でどこからが絵だったの?と思わせる、現実感覚が揺らぐ一冊です。

 たけしとひろみは雨の日曜日にいろいろな絵を描きます。ライオンや人形、町並み、それにママ。絵のママは何の予告もなくふたりのママとしてしゃべり、鏡を見て自分が気に入らないと言い出したので、ふたりは描き直します。きれいに描けたママは今度は満足して、絵の町へ買い物に行きます。

 絵と現実がいつの間にか混ざっていて、どっちが現実の領分で、どっちが絵の領分か分けることができなくなっています。そうした感覚が不思議に面白い。描いたものが本物になる不思議というよりは、そもそもママは絵なのか現実なのかがわからないというのがおかしいのです。最初の前提として「たけしとひろみ=現実」「ママ、町、ライオン、おばけ=絵」だったのに、たけしの描いた家にパパが出てきたところで、登場人物たちが絵だったのか、現実存在なのかわからなくなっていきます。その感覚が面白いです。たけしの描いたそらとぶおうちが「ぼくんち号」という名前がなんだか子どものつぶやきみたいで気に入っています。


posted by kmy at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。