『たべる』(谷川俊太郎文 井上洋介絵 アートン)の隣にあった本。タイトルと絵が気になって一緒に借りてきたのですが、凄い!本でした。
子どもが「せんそうごっこ」をしている様子から始まります。テーブルの上に戦車や兵隊、ジオラマを並べます。
こっち あめりかの たんく、
こっち そびえとの たんく、
どっちもかっこいい
(本文P1)
遊びの中での無邪気なつぶやきです。しかし、子どもの遊びの世界に読者もどんどん入り込んでいきます。やがて、兵士がマシンガンを撃ち込み、戦車が砲弾を撃つう風景に。
せんそうだあ! さあ どっちが かつか、
かったほうが いいほう
まけたほうは わるいほう
(本文P13)
戦いには勝負がつきものです。「正義は勝つ」ものと相場が決まっています。だから、「かったほうが いいほう」という論理。そうかな、そうなのかな?と感じさせる文章です。
そして、こんなつぶやき。
せんそうって べんりだね、
ひとを ころしても だれにも しかられない
(本文P15)
谷川氏の文章は「せんそうごっこ」という遊びの場面を通じて、その中でふと子どもが思うような言葉で語りかけてきます。「戦争はいけないんだ」と言わず「せんそうって べんりだね」という問いかけ。強烈な絵にもインパクト。戦争で死んだひとたちがびっしり書き込まれた絵や、瓦礫の山の絵。黒と黄色だけで描いているシンプルな絵が迫ります。
ラストは「せんそうごっこ」にふさわしく、また『食べる』に近いものがあって、少しほっとする終わり方をしています。現在は「ちいさなつぶやきシリーズ」として出た三冊を合わせた本として出版されているそうです。
なかなか衝撃的にいい本だったので、保育園の先生に見せにいきました。古い本なので、まだ貸し出し票がついていて、10個ほど日付がスタンプで押されていました。それを見た先生が、
「本の内容も凄いけど、kmyさん以外に借りてる人、いるんだね〜。それに驚いた!」
と言われました。いやあ、これ、書庫じゃないのよ。たぶん思った以上に人気作品(のはず)です。
![]() | おばあちゃん ひとり せんそうごっこ 谷川 俊太郎 by G-Tools |
これも『となり町戦争』みたいな本でしたが。
で、早速図書館のサイトで検索したら、蔵書にあったので予約を入れました。
普通にしゃべっているほうが、声高に訴えてるよりも響くことって、多いですよね。
現実を見つめる子どもの視点が少し悲しいような気持ちにさせられます。
希望や未来を感じさせるものではないけども、ありのままの現実をシビアに見つめる視点にぐっと来ます。
『ひとり』はないようなので、どこかで借りてもらおうか、考えているところです。
ブログデザイン、変更してみました。
コメント欄はプレビューで確認できないので、ヤヤーさんが見たときはまだ崩れた感じだったと思います。少しずつ直しております(汗)
今回は「さくら」のテンプレートから変更してみました。似ても似つかぬものになっていますが。
『せんそうごっこ』は現在、『おばあちゃん』『ひとり』と合本になったものが出ていて、先日書店で見ました。『おばあちゃん』は家にあったので、少し懐かしい気持ちで手に取りましたが、内容は強烈そのもの。高齢者介護の問題が谷川さんの文章と三輪さんの絵で見事に切り取られていると思います。
現実の戦争を残ゲーム感覚で見ているという、そういう恐ろしさを、三輪さんの「不気味」な絵が鋭く表現しているように思います。この本は手元に置いておきたい本ですね。
こういうのを教科書に載せて欲しいと思います。
テンプレート、素敵ですね♪
お久しぶりです♪
お手元にあるなんて、いいですね。
『おばあちゃん』借りてきました。
鋭い目線で捉えられていますよね。子どもが何気なく見ている雰囲気で、それでいて重みがある内容です。
三輪さんの絵もやっぱりふさわしい雰囲気が出ています。『ひとり』もぜひよもうと思っています。
香香さん
合本は読んでいないのですけど、少し年齢の高い子どもに読んでもらいたいと思います。
ずしりとくるものがあるのではないかな、と思います。
デザイン、変更してみました。CSSをいじるのが結構好きです。毎度おなじみテーマは雨で、あちこち素材を探しては「次これにしたいな〜」と楽しんでいます。