2007年02月04日

『たべる』


谷川 俊太郎, 井上 洋介 / アートン
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 谷川俊太郎氏の文章と井上洋介氏の絵が調和した驚きの絵本『たべる』。谷川氏の書いた文章は日常に安穏と生きている人に言葉をぐさりと突き刺します。そしてこの絵! 雰囲気を盛り上げているのはやはり井上氏の怖い絵。井上氏は本当にうまい絵を描きますね。『ふしぎなおみせ』(井上洋介 福音館書店 リンク先は子こどもとも50周年記念ブログ)
のようなヘタウマな絵も定番ですが、井上氏の凄いところはかわいいものはかわいく、怖いものは忘れられないくらい恐ろしく描くことができるのです。この絵本、太った主人公たかしもグロテスクに描かれ、そして寝入った後に起こる出来事の絵の怖いこと、怖いこと!


 表紙の子どもたかしはおかしばかり食べているので、晩御飯も食べずに寝てしまいました。目覚めていると見たこともない森の中に。ここで登場するのはたかしを食べようとするものたちや、おなかがすいてたまらないたかしが経験するできごとの数々。内容について出版元アートンの紹介をご覧ください。世の中にはこういう現実がある、ということを知らずに生きている、忘れて生きている、そういうことを思い出します。食べ物が何もない世界でポケットからでてきた役に立たない100円玉の場面が妙にリアルに感じました。




posted by kmy at 18:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまたコワイ物語フリークのkmyさんの、食欲モトイ読欲(?)をそそる文章を読むと、ついついコワイものみたさも手伝って、手が出てしまいますね。
井上洋介さんというと「まがればまがりみち」を思い出します。あの本も、もうこのまま道に迷って家に帰れないんじゃないか、という夕暮れのコワサがページから漂っていました。
この「たべる」は、どちらかというと、人間の持つ根源的なグロさ(よく意味がわかりませんが)が出ているのでしょうか?
谷川俊太郎さんの文章というところも、そそられます。
Posted by Helenaヘレナ at 2007年02月05日 11:02
ヘレナさん、こんばんは♪
この絵本は実はかなり重いテーマを扱っていて、世の中にはたかしのように「おかし食べておなかいっぱいだからばんごはんいらない」という子どもがいる一方、日々食べ物のない国があるということを示していのです。ネタばれになるので詳しい説明は読んでのお楽しみになりますが、ご飯が食べれる日常って実は凄いことなんだな、本当に幸せなんだ、ごはんも食べれない人がいる、食べれない状況があるということを知らせてくれます。
谷川氏のこういう絵本にやられます!
目をそむける人もいるかもしれませんが、わたしは好きな絵本です。
Posted by kmy at 2007年02月05日 21:25
谷川俊太郎氏の絵本 わたしも好き(というか 日本の絵本界・児童書界を変えた一人ですよね!)ですけど わー この本はじめて知りました!
kmyさんのオモシロ・フシギ・ステキ本嗅覚ってすごいですねえ!?うーん この本もメモメモ。
Posted by めぐりん at 2007年02月09日 23:27
めぐりんさん、「オモシロ・フシギ・ステキ本嗅覚」なんて言っていただけて非常にうれしいです♪
そう、そうなの!と思いました。こういうちょっと変わった本が好きなので、図書館へ行き、Amazonを見て、あれこれ検索しては探しています。
現実は果てしなくシュールなのかもしれない、とふと思わせる感覚を味わえる本が好きです。
Posted by kmy at 2007年02月10日 09:24
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