2006年11月18日

『モグモグでんしゃ』

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『モグモグでんしゃ』 井上洋介作・絵 福音館書店
月刊こどものとも年中向き 2006年11月号

 うわあ! こんなのいいないいな! 井上洋介さんの絵本は現実には絶対にありえないから面白い。リズミカルな文章もお気に入り。



 らあめんえきで キップをかった

 (ページめくる)

 らあめんでんしゃで らあめんたべた

 モグモグ ゴトン モグ ゴトン
(本文より)


 パターンは一緒で毎度おなじみの井上洋介ワールドの男の子(横向きでいつも目が『へ』の字の子)が登場。食べ物の名前がつく駅でキップを買うと、次のページで食べ物にちなんだ形をしたでんしゃに乗って食べる様子が描かれています。次は何、今度は何だろう? 楽しみながらでんしゃに乗って、どこかの町をのんびり走って行きます。
 このでんしゃ、「あったらいいな」というのとはちょっと違うのです。絶対ないからこそいいんだろうな、と思うのです。あるはずがない、とわかっているからこそ、絵本の世界に入り込んでは食べ物でんしゃに揺られていくことができる気がするんです。この作者のナンセンスな感じは「ありえない」からこそ、絵本になる、絵本で味わう、読んだ人だけが楽しめる感覚があります。
 というわけで、現実に「らあめんでんしゃ」があってもうれしくないんです。目と頭と心で味わいながら揺られるでんしゃ、そういうのが好きなんです。ありえないから心地いい、それが井上洋介の絵本の楽しさではないか、といつも思います。


posted by kmy at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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