2012年06月12日

『罪悪』

罪悪
フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社 ( 2012-02-18 )
ISBN: 9784488013448


 前作が面白かったので、発売日に見かけて買ったものの、読まずにとっておいた本。少しずつ読んでは、その情景に浸ってしまった。『犯罪』のほうが、はっとさせられる人生の一片を綴っていたように感じます。どちらかというと、後味の悪い内容が多いように感じます。その犯罪の質や描写が、残忍さややりきれなさ、事件のその後が暗いものが多く、陰鬱な気分になりました。こんなことに「巻き込まれてしまった」なんて……そうでなかったら、この人たちはもっと違う人生があったかもしれない、と思えてならないです。『イルミナティ』は冴えない少年がもしかしたら、ひとかどの人物になったかもしれないが、しかし、そういうことは起こらなかったという哀しさ。『子どもたち』は人生が一変してしまう犯罪の物語で、こんなことが世の中に起こるものなのだ、と思うと、悔しい気分になり……。

 最後の短編、『秘密』のラストは気になる終わり方で、余韻に浸っています。この後どうなるんだろう?と。
posted by kmy at 21:45| Comment(2) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これも興味深い本でしたね。
事実が元なので、こんなことがほんとうにあったのかという驚きと、人間はどこまで残酷になれるのかという恐怖を感じました。
次の記事のオウム事件もそうですが、どこでボタンを掛け違えたのか、道を逸れてしまったのか、命が惜しくてだれも止められなかったのも理解できますが、じぶんや家族が巻き込まれていたらと思うとぞっとします。

いま、宗教の勧誘もネット上がいちばん盛んで、はじめは人生相談などからなのだそう。菊池容疑者もはじめはヨガ教室からだということだったので、うっかりクリックしないように、子どもたちに言い聞かせようと思いました。
Posted by ヤヤー at 2012年06月24日 06:55
ヤヤーさん
どこでどう犯罪に巻き込まれてしまうか、世の中分からないと感じました。
犯罪によって人生が変わってしまうと感じる作品も多く、事件に関わった人の生活に目がいきました。

宗教は、真理や自己を突き詰めていくと行きついてしまうこともありますし、考えさせられます。
今はネットからも多いのですね。
若いころに、こうしたものに惹きつけられるのもわかる気がします。
盲信して突き進まないように、と思うものです。

Posted by kmy at 2012年06月24日 20:43
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