2012年05月18日

『東京難民』

東京難民
福澤 徹三
光文社 ( 2011-05-19 )
ISBN: 9784334927523


 嫌な物語を読んだ。ごく普通の仕送り大学生が、ある日突然学費の支払いが滞っていることを知らされ、両親の蒸発を知り、大学を除籍に。アパートを追い出され、徐々に転落していく物語。

 実際にこういういことはあるのかもしれない、と思うその現実感がとても怖い。何とかお金を稼ぐために見つけた仕事は胡散臭く、仕事にあわせた生活などを垣間見るのは興味深く感じた。主人公は最初、ただただ無知で甘く、嫌な印象があったものの、アルバイトを通して少しずついいやつかも?と思えてくる。ただ、長いものに巻かれろじゃないけど、どっぷりその世界(ティッシュ配り、ホスト、日雇いなど)に浸かってそこで生活したら、とちょっと思ってしまった自分が嫌になる。こういう状況だったら、諦めてその世界で何とか生きて行こうと思ってしまいそうで……それでも、主人公は「これって、いいのか?」と自問自答するあたりが「いいやつ」の気がする。そのため、その世界からは抜けて、もっと過酷な世界へ落ちていくのでもあるけども。ああ、こうなったら嫌だ〜と思いながら、最終的にどうなるか一気に読んでしまった。
posted by kmy at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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