『マスカレードホテル』ある高級ホテルで殺人が起こるらしいということを突き止めた警察が、ホテルに従業員として潜入捜査することにした。ホテルマンに扮した警官と敏腕女性従業員のやりとりを通して描かれるホテルの内情が面白い。怪しい人物をあくまでお客として扱いながらも事件との関連を探る様子など、臨場感がある作品。これは連続ドラマになりそう、と思う雰囲気があった。
『パラドックス13』これは怖い小説だと思う。今年の震災を彷彿とさせるような描写が多々ある。主人公を始めとする登場人物数名が巻き込まれた何らかの現象「パラドックス13」によってとばされた別の東京は、人間が消え、地震が起こる世界。これまで動かしていた人間が消えた世界は事故や災害が頻発している。缶詰などの食料品を調達しつつ、この世界を探ろうとする主人公達。ラストに行き着くまでに、もし実際にこういう世界に放り出されたらと思うと、恐ろしくてたまらない。サバイバル生活を送ろうにも、地震によって地形が変化し、瓦礫や事故車などでふさがれた土地で、どのように行きぬけるのか見当がつかない。このままここで生きねばいけなくなったら、と考えるのも気が滅入る。死んでしまったほうが楽と考える登場人物もいるのも分かる気がする。
そのほか、バブル時代の描写を読むのが結構楽しい『あの頃の誰か』や確かに人が死んでいるのだけど、その理由に哀しさを感じる作品群という感じの『犯人のいない殺人の夜』もさらっと読めて面白かったです。
どれもさらさらっと読めて、はずれは少ないと思います。
東野 圭吾 / 集英社 ( 2011-09-09 )
東野 圭吾 / 毎日新聞社 ( 2009-04-15 )
東野 圭吾 / 光文社 ( 1994-01 )
東野 圭吾 / 光文社 ( 1994-01 )




