2011年12月21日

『あやかしファンタジア』



 斉藤洋さんはとにかく多作な方だと感じます。幼年童話も書かれるし、外国を舞台にしたもの、ちょっと不思議な話、落語に翻訳もされています。その中でも好きなジャンルの話がちょっと不思議な話。『アゲハが消えた日』(偕成社文庫)もよかったですが、ちょっとラストが怖い。初期の再出版ということですが、解説が西戸助教授という、おなじみの作中人物なのもよかったのですが、物語の原因となる事象が怖い……結構真剣に怖いのでちょっとだけ受け入れられない雰囲気を感じました。それと比べると、この『あやかしファンタジア』はぴったり趣味に合う、こういうのを読みたかった!と思う作品でした。連作短編の形をとっていて、それぞれ不思議なことが起こります。現代のとある都会の町という感じなのかな、大学が近くにあり、野球場があり、という繁華街ではないものの、現代的な町に住んでいる主人公「わたし」が体験する出来事の数々。物凄い怖いというのではなく、ちょっと不思議、でもありそう、たぶんあるかも、と思える本当にあるような感じの話です。それが連作という形でゆるくつながっているため、余計に「ありそう」な雰囲気を出しています。装丁の狐とオレンジの背景も素敵です。桜、イチョウという風景もよかったなあ。
posted by kmy at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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