![]() | 怪盗クロネコ団あらわる! (キッズパラダイス) 岡田 貴久子 理論社 1995-12 by G-Tools |
![]() | 怪盗クロネコ団のあまい罠 (キッズパラダイス) 岡田 貴久子 理論社 1997-02 by G-Tools |
そろばん2級とばばぬきがとりえのオサムさんこそふさわしいと乗せられて、ついつい引き受けることになった怪盗クロネコ団の仕事。訳のわからないクロネコ団の妙な仕事は謎の多い冒険でした。ありきたりの2DK住まいのオサムさん(奥さんがいるんですよ、この人)の風景からだんだんと妙な世界に移り変わる様子がスズキコージ氏のイラストで盛り上がります。
一作目に含まれた伏線がつながる第二作。カモメ印のケチャップ10点分のシール応募で幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーの種セットを当てようと思うオサムさんはクロネコ団にまたしてもつけこまれ、冒険に引き込まれていきます。
このオサムさんって、なんだかにくめない――というかわたしにちょっと似てます。
買ったばかりの洗濯機がこわれたり、かさを持たずにでかければ、雨にふられたり、トーストを落っことすとかならず、バターのついているほうが下だったりするけれど、まあまあなんとかやっている。
(『怪盗クロネコ団のあまい罠』P6)
この間、洗濯機のバスポンプが壊れて困ったわたしです。
それはさておき、オサムさん夫妻の状況なんかをちょっと考えてしまいました。オサムさんは23才で、奥さんは塾で英語を教えている。オサムさん自身は旅行会社に勤めていたがつぶれてしまい、怪盗クロネコ団の仕事第一回目を終えて、暇な本屋に勤めています。暇な本屋なので、家事全般はオサムさんの仕事。住まいは2DK。どうでもいいことですが、結構若い夫婦ですよね。わたしが勝手にイメージするこの夫婦は、学生時代に出会って付き合いはじめ、そのまま卒業と同時くらいに結婚。そこで2DKを借りて住み始めるも、半年くらいでオサムさんの勤めていた会社が倒産。奥さんは学生時代からはじめた塾講師の仕事を本業とし、そのままその塾に専任講師として就職する。英語を教えているそうだから、英語科出身? オサムさんは小説家をひそかに志しているところもあるので、文学部かな。
一応、後ろの広告ページには「以下続刊」とあるので、3作目を期待したいところですが、既に10年近く経っているので終わりでしょうか。続きがあれば読みたいと思わせるのもいい感じです。
オサムさんもなかなか味わいがありそうですね。ちょっと村上春樹の小説やエッセイに描かれてる夫婦関係を連想しちゃいます。奥さん、塾の講師?収入が不安定な職業ですよね。でも夫ひとり養っていけるんだからきっとやり手の先生なんでしょうね。
時間ができたら図書館あさって見たいと思います。
スズキコージの絵で東京なのに異国風なイメージを抱ける挿絵がいい味だしています。メルヘンや神話を味付けに使っているところも気に入りました。
はじめまして♪
『怪盗クロネコ団』にコメントありがとうございます。そして、ご卒業おめでとうございます。
この本は続編があれば読みたいと思うシリーズです。平凡な毎日を送るオサムさんは少し冒険を求めているんですよね。
2作目の最初のシーンはアップルパイにシールがあるからと朝一でコンビニに行くんですよね。
アップルパイにケチャップのシールはおかしいと思いながらも行くんです。そのあたりの心境が憎めないです。
お弁当のシーンはええと、ちょっとわたしも記憶が薄れています(図書館で借りたので)
シールを貼って魚に乗る(飲まれる)ところとか好きですね。
こうしてお話を聞くと、また読み返したくなります。今度図書館に行ったときに、お弁当の場面は必ずチェックしてきます。
ひらさんの記憶に残る名作『クロネコ団』、きっとこの本はずっと忘れられない本として心に残るのでしょうね。個人的にはやっぱりこの絵がいいな、と思います。
コメントありがとうございました。
『怪盗クロネコ団』は子供向けすぎない印象がありました。
子どもの冒険ではなく、暇な大人(?)という感じの主人公が巻き込まれるという設定が面白いのです。
主人公のオサムさんとか、シールを集めるとか、細かい部分が現実っぽい感じで、それでいて不思議な現実で、というそういうお話が大好きなのです。
スズキコージさんの絵がまたいい感じで、表紙に惹かれて読みました。
まだ余韻がある感じで、続きもぜひ読みたいと思っています。
まだ書きたいというお話を聞くと、楽しみです。
これで終わりかな、と思っていたシリーズがでるというのは、新しい本とは違う嬉しさがあります。
番外編についてはまったく知りませんでした。機会があれば読みたいのですが、入手困難そうな感じです。
オークションや古書店サイトなどで探してみようかと思います。