2006年08月03日

こんなときもあるよ、ね。

無限がいっぱい

『無限がいっぱい』異色作家短篇集 
ロバート・シェクリイ著 宇野利泰訳 早川書房

 この本が結構面白かったので、最近読んでいる異色作家短編集のシリーズ。昔懐かしいSF的要素がありつつも、なるほど!と思わせる奇抜なラストに唸ったりします。

「監視鳥」
人を殺す瞬間を感じ取ってそれを阻止する機械の鳥が開発された。監視鳥は殺人予防に大いに役立つはずだったのだが、学習機能を持つ監視鳥たちは「殺人」の定義をどんどん広げていく。生きているものを殺すこと=殺人とみなす監視鳥の行動はどんどんエスカレートして……。

「倍額保険」
タイムマシンが使えるようになった世の中。エヴァレットはこのタイムマシンでの旅行を利用して生命保険を騙し取ろうと考えていた。時間的な問題で自分自身が二人になってしまうという障害が起こった場合にはかなりの額が手に入る。そのために過去に遡って自分自身とそっくりな祖先を見つけて連れ帰るのだが、その結末がまた、あ、なるほど!と思わせるつくりになっている。

  いつもと少々違うジャンルを読んでおります。昔、SFは好きでしたが、何を読んだとかはあまり覚えていません。未来は発展し続けると思えたころが懐かしい。今、こうした昔のSFを見ると、惑星間の旅行だとか、タイムマシンだとか、機械化された文明とか、そうしたアイディアがこの先も実現するような気がしないのは、年を取ったからなのでしょうか。それともその頃思い描いていた未来に既になってしまったのでしょうか。それでもシェクリイの物語の結末にはあっと驚き、物語が終わったあとはどうなるの?という余韻がとてもいい感じ。

 どうも、自分以外のことで忙しい毎日を過ごしています。めげるようなことが続いたので、少々気持ちに疲れがたまっているような気がします。買おうと思った本が2冊とも品切れメールが来てキャンセルになったこと。プールに行ったら天気が悪くてやっていなかったこと。家族の調子がなかなかよくならないこと。毎日落ち着きませんが、こういうときもある、そう思って進んでいかなくちゃいけませんね。
posted by kmy at 14:36| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ああ、kmyさん、そういうときってありますよ。
kmyさんが倒れないようにして下さいね。
こないだ自分が寝込んでつくづく思ったのですが,主婦っていうのはやっぱり自分は後回しになってしまって,自分の体調の変化に気づかない,というか,それさえも見て見ぬふりをしてしまうんですね。
よく食べて,よく寝ましょう(笑)。

>未来は発展し続けると思えた

わたしにもそんな頃があり,やっぱりSFを読むのが楽しい時期でもありました。
今や現実を知り,というか知らなすぎるのでSFじゃないもののほうを読んでるのかも知れません。

そうそう。『マチルダ』,とうとう借りることが出来ました!
もったいなくってまだ開いていません(笑)。
なにしろダールの本のことです。あっと言う間に読み終えてしまうのが目に見えていますから。
シェクリイという作家は知りませんでした。
でもかれも「ロバート」なのですね。
ロバートという名前の作家には好きな人がたくさんいます。
というか,作家に多い名前なのかしら。
Posted by ヤヤー at 2006年08月03日 20:54
ヤヤーさん、お気遣いありがとうございます。わたしは大丈夫なのです。(と過信しすぎてもいけませんが)
昔のSFってそのときに思い描いた未来というのと、そのときから考える未来である今とずれている部分が面白かったりします。携帯電話が当たり前の現在はSF的なのかもしれませんが、今生きている人間にとっては全然SF的世界に生きているとは思えませんね。
『マチルダ』、きっと楽しいと思いますよ〜。あまり期待をあおったりしないで、楽しめるように静かにおすすめします。
ロバート、というとウェストールとかでしょうか。ウェストールを読もう読もうと思うのに、機会を逃しています。あとはハインライン? こちらは忘れちゃったな(汗)
ヤヤーさんも夏ばてされませんように!
Posted by kmy at 2006年08月04日 13:25
kmyさん、こんばんは。
わたしは、中学生の時、星新一さんの本が大好きでした。
そのころは ありえない未来を描くこんなSFが わくわくするほどおもしろかったのに、最近になって 読んでみると 妙に怖くなってしまいました。ありえるかもって思うからです。
そして、たまたま昨日 久しぶりに大きな本屋さんに行ったら、英訳されたのがいっぱいあって びっくりしました。
SF 随分ご無沙汰しています。
ラストが奇抜で、余韻がいい感じ というシェクリイの短編集。
夏の夜に涼しくしてくれるかも・・・
読んでみたいです。
Posted by noel at 2006年08月07日 21:18
noelさん、こんにちは♪
わたしも中学生のころ、星新一さんの本、大好きでした!ショート・ショートというジャンルを知り、新潮文庫を買い集めていたのを思い出します(殆ど処分してしまいましたが……)
最近になって読んでみると「ありえるかも」と怖さがあるのはわかる気がします。手もとにある星さんの本をたまに読み返すことがありますが、その人間性に基づいた行動の結果というのは現代でも通じると感じます。(ここで紹介したシェクリィもそんな印象を受けます)
SFは未来を描いていると10代のころは思っていましたが、実は人間を描いているのだとふと思うこの頃です。
Posted by kmy at 2006年08月09日 09:25
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