2011年07月23日

食べる話

 食べる、ということが描かれている小説は、時として意外なものを食べたりします。例えば「人」。これは小説という虚構だから許される行為でありますが、こうしたものを読んだからと言って、「人、食べてみたいな」と思うことはありません。人を食べる前に肉にしなくてはいけませんし、新鮮なほうがいい。そうなると、調達するためには殺人ということになり、と人を食べる小説は結局殺人になってしまいます。たいてい、「人を喰う話」はラストで、あ、そうなってしまうの!?という意外性のために仕掛けられたものであるので、読む前に「これは人をたべちゃうんだよね」ということが分かっていると、読む前から面白さ半減です。

 ホラーとか、ミステリとかの短編にはこうした結末が用意されているものも多いので、読みなれてくると薄々、「多分こうなるだろうな」と予想がつくものも出てきてしまいます。先日、娘がたまたま手にとって借りてきた本のラストがこうした展開で、かなり衝撃受けていました。「初人喰い小説」だったということです。娘が「凄い話だったから、読みなよ」と勧めるので、手に取ったのです(タイトル『ライダー定食東直己著 柏艪舎 ネタばれになるので、反転すると出ます)が、タイトルとちょっとその娘の「衝撃」で予想がついたのですが、そこにいたる道筋がなかなか面白い小説でした。娘のような「衝撃」を受けることがこの手の小説で少なくなってきているので、いいなあ、羨ましいなと思います。こういう展開になってしまうとは!という意外な話でがつんとやられたい、と思いますが、そのためには極力ネタばれなしで読んだほうがいいし、よく知らないで読んでびっくりした!というのに出会いたいです。あまり調べず、目に付いた本を読むという娘のやり方がいいのかもしれません。夏はホラーだな。

posted by kmy at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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