子どもは子どもなりに地震のニュースに反応し、おびえ、敏感になっていました。1ヶ月が経ち、このごろは落ち着いていますが、やはり震災関連のニュースを見続けるのは避けるようにしています。
そんな折、娘が学校で今ぴったりかもしれないという本を見つけたと言って借りてきたのがこちらです。具体的には何が起きたとは書かれていませんが、事件、事故、災害、紛争など、国全体に関わるような出来事が起こったとき、子どもがどのようにしていくとよいかアドバイスしてくれる本です。学校が休みになり、習い事や友人の誕生日会も中止、いつもの番組もやらず、親はニュースをじっと見ている……そんな状況を子ども達はとても怖く思い、心配します。この中で一番ポイントとなるのは、気休めの大丈夫ということばではないということ。世の中には怖いこと、悲しい出来事はなくならないとまずはっきりさせています。気になることは話してみる、そして、いつもと同じことをしていると気持ちが落ち着くと言われるのです。
確かに、いつもと同じことをするというのはこういう状況では大事なのではないかと思いました。この物語でも、事件、災害の当事者ではない子ども達ですが、何か大変なことが起こっていて、非常に不安に駆られています。今、日本に起こっている震災でのニュースに怯え、不安になっているのは大人も同じかもしれません。当事者でなくても抱える心配や不安は誰かに話してみる、そして日常通り過ごすというのは大人にも当てはまると感じました。巻末に大人向けにどう子どもと対処するかということも載っています。正直に出来事を話す、丁寧に聞く、状況を説明する、プラス面を見つけて話す、恐ろしい映像は出来るだけ見せないようにする、ボランティア活動をする、日課を守り家族の時間を大切にするとのこと。
まだまだ余震や原発のニュースで気になる日々ですが、闇雲な不安を抱えるより、日常を過ごすのが大事だと改めて感じる絵本でした。