2006年05月11日

『ぼくたちの宝物』

4877701036ぼくたちの宝物―ほんとの幸せって何? (ヤノッシュシリーズ)
Janosch 大石 一美
きんのくわがた社 2000-06

by G-Tools



 くま君はとら君にこんなことを言うんです。

「くま君、この世でいちばんの幸せってなんだと思う?
ぼくはね、お金持ちになることだと思うなー。
お金があったら経だって、ぼくにマス2匹買ってくれたよね、きっと。
マスはぼくの大好物だからなー」

 幸せになることってお金もちになることだと思ったふたりの友だちは宝探しに出かけます。地面を掘って土の中の宝物を探したり、海を潜って海中の宝物を探したり。でも全然見つりません。でもね、ふたりが疲れ果てて眠り込んだ木は金色のりんごがたわわに実っていたのです。このりんごがあれば幸せに……?

 あらすじはこんな感じのお話です。ふたりの友だちが宝物を見つけてお金持ちになろうと出かけていく先々ではがっかりするような出来事ばかり。しかしついに見つけた金のりんごを銀行でお金に換えるのですが――そのお金も税金を取られた上に、大泥棒ナンデモトッタルに盗まれてしまいます。(←ネタばれ。気になる方は反転させてください)

 なんにもないから幸せなこと。そういうことってあるんです。そう思う絵本。ヤノッシュの絵本はところどころ皮肉が効いていて笑えますが、全体を通して感じるのは友だちがいるってことそのものが幸せだということ。何かを一緒にするわけではなくても、遠く離れていても、わたしにはその友だちがいるんだな、と思うだけでうれしくなるものです。


posted by kmy at 16:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作者の『ぼくがげんきにしてあげる』や『ぼくがおうちでまっていたのに』も好きです〜。
徳間書店では「ヤーノシュ」と表記しているようですが。
わたしはいわゆる「説教くさいもの」が苦手なのですが、kmyさんも同じようで勝手に嬉しくなっています。
婉曲的なんだけれど、子どもたちには自分で考えて気がついてほしい、みたいなところが感じられます。

遠くに離れていても、自分を知ってくれてるひとがいることって、うれしいですよ、kmyさん。
Posted by ヤヤー at 2006年05月11日 20:24
ヤノッシュというと「おばけりんご」しか知りませんでした。
早速、図書館で借りてきて読みました。
読後感がすごく良かったです。
それと、この人、描写が上手。
(作家だから当然といえばそうなのですが、絵本の場合こんなに詳細な描写は珍しい気がします。文章が)
特に、食べ物がおいしそう!
カリフラワーとじゃがいもだけでも、読んでるとよだれが出てきそう。
素敵な本を紹介していただきありがとうございます。
今度、子ども達に読み聞かせてみようかな、と思っています。

Posted by Helenaヘレナ at 2006年05月12日 12:23
ヤヤーさん、このきんのくわがた社から出たものだけは名前がヤノッシュで、他の本はヤーノシュのようです。
(出版社のこだわりかも? グッズも売り出している会社と同じところなので)
遠く離れている人のことを思う時間というのは意外といいものだなあと思います。だれかが自分のことを思ってくれているかと思うと、それだけで嬉しいものです。
(いつもながらに読書の幅の広いヤヤーさんに感心しております。挙げてくださった二冊、ずっと読もうと思っているのに、なんとなく手に取らず何年も過ぎてしまいました……反省反省。同じとら君、くま君が出ているのに出版社が違うのが気になるところです)

ヘレナさん、参考にしてくださって光栄です。『おばけりんご』は何となく妙な話の気がしています。ワルターはりんごが嫌いというのがかなりおかしかったのですけど。
絵本にしては文章が長くて、カナがふっていないので出版も「大人向け」を意識しているのかな?と思ったりします。食べもののおいしいそうな本というのはどれもいいものです。大泥棒の名前が結構好きだったりします。
Posted by kmy at 2006年05月12日 16:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。