2010年11月01日

朱川湊人さん、2冊

赤々煉恋 (創元推理文庫)
朱川 湊人
東京創元社 ( 2010-01-30 )
ISBN: 9784488550028
おすすめ度:アマゾンおすすめ度



花まんま
朱川 湊人
文藝春秋 ( 2005-04-23 )
ISBN: 9784163238401
おすすめ度:アマゾンおすすめ度



 少し前にテレビで放映した「世にも奇妙な物語」で朱川湊人さんの作品がドラマ化されていました。いくつか読んでいた作家さんですが、好きなテイストなので未読作品を2冊読みました。ちょっと不思議で怖くて、それでいてどこか本当に思えてくるような物語を書く方だと思いました。この2冊の短編はどれも「はずれ」なしです。

 『赤々煉恋』のお話はどれも切ない。人間の中にある執着心というか、こだわりというか、譲れない思いというか、惹きつけられていくものを感じます。その気持ちがどうなっていくかという感じがするのですが、どれもちょっと不思議な出来事なのに、「ありそう」と感じてしまいます。「いつか静かの海に」は不思議なテイストが漂っていて、「お姫様」と呼ばれる存在を受け入れるには簡単にはいかない秘密があって、一番気に入りました。


 花まんま』はおそらく昭和40年ごろ?の子ども時代を回想するという設定のホラー。生まれる前の話なのにどこか懐かしく感じる作品の数々。子どもだったころ、こんな出来事があって、という風に語られる短編です。舞台が大阪だということで、なんとなくあのあたりと思う感じがまた引寄せられます。子ども時代にあったことというのは、本当のような、空想のような、そういう感じが作品を通して感じられます。どれも楽しい思い出というのではなく、ちょっと切なく寂しい記憶という雰囲気です。子ども時代の楽しさというよりは不可思議さ、大人の世界がすぐそこに見える猥雑な世界というのがいい感じでした。
posted by kmy at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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