2006年03月20日

「いるかホテル」を英語に直すと?

 翻訳についていろいろ考えています。英語は好きではなかったけども、続きが読みたいがために購入したハリー・ポッター。2巻以降は原書も読んでいます。とはいうものの、これってこういう訳になるんだ?と気になり、比較してみながら、悩んだりします。原文比較だけでなく、翻訳に関するいろいろな文章を読んでいましたが、ふと逆に「英語→日本語」の文章ではなく、「日本語→英語」の文章でも訳せないことばがあるのかもしれない、と思いました。例えば「いるかホテル」のこと。

 『羊をめぐる冒険』にこんな部分があります。
「ドルフィン・ホテル」と僕は読んだ。
「どういう意味」
「いるかホテル」
「そこに泊まることにするわ」
『羊をめぐる冒険(下)』講談社文庫 村上春樹著 P17

 「ドルフィン・ホテル」というイメージと「いるかホテル」というイメージには差があります。人によって多少違うかもしれませんが、英語だけの「ドルフィン・ホテル」のほうがおしゃれな感じ。「いるかホテル」だとおかしさというか滑稽さというか、そういう雰囲気に変わるような気がします。うまくは言えないですが、「ドルフィン・ホテル」と「いるかホテル」ということばには違いを感じるものです。でも、英語でこういうのって訳せるのでしょうか? 気になって調べてみると、この物語の続編である『ダンス・ダンス・ダンス』の翻訳について解説されている方がいました。(*翻訳くらぶ。*読み比べを参照)そちらのサイトによると、やはり「いるかホテル」と「ドルフィン・ホテル」の違いは英語に訳されていないそう。なるほど、なるほど。そうなると、名前負けしている「ドルフィン・ホテル」が「いるかホテル」と呼ばれる面白さは英語版にはないのですね。残念だけど、仕方がない? (いるかホテル、という呼び方は読んでいるうちに親しみが沸きます。「ドルフィン・ホテル」より「いるかホテル」って言い方いいなあと思う読者も多いのではと思います)
 
 翻訳された文章を読むこと、最近気になることなのです。日本語で書かれた日本語の文章がそのまま自分に染み込むときは理屈ではなく、感覚なのかもしれませんね。(無性に気に入る文章について何がどういい、って説明するのは難しいです)


posted by kmy at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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