2008年09月29日

バーニンガム展を見に行く

 記事にして記憶に留めておこうと思っていたのに1週間も経ってしまいました。怪我の前に行けてよかったジョン・バーニンガム展について書いておきます。
 安曇野絵本館で開催されているのに気がついたのが終了間際でした。思い立ってからすぐにいかないと終わってしまいます。(展示は9/29まで)雨も降っていましたが(いつものことです)、本物の絵が見れるというのはやはり素晴らしいことですね。本当に素敵で、絵の一枚一枚が実際に描かれたという感じが伝わってきました。

 バーニンガムの作品で特に好きな『アルド――わたしだけのひみつのともだち』(ほるぷ出版 谷川俊太郎訳)の絵が何枚もあって、これが特別嬉しかったです。絵本になるとどれも同じサイズといいますが、収まるように絵が配置されています。実際に描かれたものは大きなものがあり、こぶりなものもあります。絵本でみるとコラージュされているらしいとは思っていましたが、一度描いてから切り抜いて、自分同士が寄るように貼り付けた様子がはっきりわかって面白く感じました。
 『アボカドベイビー』の表紙も描いてから切って貼って位置を調節して仕上げているようでしたし、『エドワルド』では描いては消した鉛筆のあともわかりました(もちろん、絵本ではきれいに消えています)。画一的なサイズの紙にきっちり仕上げられたものではなく、試行錯誤しながら仕上げていく様子が感じられます。バーニンガムの絵本がますます好きになりました。

 こちらの絵本館はドリンク付なので、ゆっくりできます。二階ではたくさんの絵本、ポストカード、カレンダーなどが並べてあり、いつも何か買いたくなってしまいます。この日は子どもたちと出かけたので、娘が気にいった絵本『エドワルド』と息子がほしがったしかけ絵本『おばけのまほうレッスン』、それにポストカードを数枚購入しました。

 いつも2階にはアンドレ・ダーハンのリトグラフが飾ってあり、その横にはスタシス・エイドリゲビシウス(スタシス・エイドリゲビチュス )のリトグラフもあります。いつか売れてなくなるのだろうか?と思うのですが、あってほっとしたりして。
 『クレセント・ムーン』をモチーフにしたペンダントが販売してました。ポストカードと一緒に飾られていたので聞いてみました。

「あのペンダントと一緒にある、『クレセント・ムーン』のポストカードってありますか?」

「あ、あれねえ、よく聞かれるんだけど、自分でパソコンに画像を取り込んで作ったもので、あれだけなんだ」

「もう一度あの本見たいと思って。昔来たとき、値段が高かったから、買えなくて」

「あの出版社自体がなくなっちゃったからね。残っていた在庫、全部うちで引き取ったんだけど、最後の1冊まで売れちゃったんだ。1冊残しておけばよかったって思っているよ。今でもあの本のことは問い合わせがくるけどね」

「あの絵は見たら忘れられないですよね。『ながぐつをはいたねこ』の赤は忘れられないです」

「スタシスはもうアーティストとして活躍している人だから、絵本はもうやらないんだよね。昔、あまり売れなかったころに、絵本の仕事をしていただけだったから。本もほとんど絶版になってるし――この『ながいおはなのハンス』もそう(カウンター横にかかっています)。絵本はいいな、と思ったときに買わないと、本当にすぐ絶版になっちゃう。ツヴェルガーの出版社も社長が亡くなっちゃって、絶版になっちゃったし。だから上にあるだけで終わり。『クレセント・ムーン』のペンダントは50個ずつ作ったんだけど、もうないものもある。それでも91年に作ってからずっとあのままなんだけどね(笑)」
 
 館長さんにいろいろお話をうかがえて楽しかった! 次回に出かけたときは『クレセント・ムーン』のペンダントをひとつ買ってきたいと思っています。






posted by kmy at 20:15| Comment(5) | TrackBack(0) | 出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつか行ってみたい美術館のひとつです。
自分が興味を持つようになったからかも知れませんが、甲信・東海地方には気になる絵本系の美術館が多すぎです。わたしが学生だったころはぜんっぜん無いに等しかったのに(笑)。

バーニンガムはあまり好きではなかったのに、最近長野にもよく行かれるおつきゆきえさんの朗読で、ぐぐぅっと引き寄せられてしまいました。そのうえ原画の話を聞くとますます興味が湧きます♪
楽しい時間が過ごせてよかったですね。

絵本はあとでじわじわ欲しくなって来るもののほうが多い気がします。初めて見たときにはさしてこころを動かされなかったものが、育児や育自を通して感じるようになって来る、というか。
それにもう手に入らないと知ると尚さらこの手にしたくなってしまうという…。悪い癖です。

Posted by ヤヤー at 2008年10月01日 22:51
ヤヤーさん
バーニンガムは子どもが生まれてから、近くの子ども図書館(絵本と児童書のみの図書館)に通っていたときに好きになった作家です。
バーニンガムの「とだな」という幼児向けの本がまさに子どもそのものを描いていて、笑いました。こうあるべき子どもとか、こうなってほしいというのではなく、そのままの姿を描いているのが素敵。
大人になると見えなくなるものがある、というような感じの世界を描いている絵本が好きです。


甲信越は絵本館が多いですよね。独身時代は山梨に近い場所にいたので、小淵沢の美術館にも行きました。それぞれに特色がありますが、安曇野絵本館は大人向けというコンセプトで、外国人作家の作品が多い気がします。ここで見て好きになった絵本も多いです。

もう手に入らないと思うとほしい、そうなんですよね。絶版になった本、無理して買うか悩みどころです。
Posted by kmy at 2008年10月02日 11:24
安曇野には、本当に絵本館がたくさんあるのですね。
むかし、「いわさきちひろ」の絵本美術館に行ったことはあるのですが。
ジョン・バーニンガムさんは、緑色がさわやかな線描きが素敵な印象があります。
「ガンピーさんのふなあそび」とか。
原画って生々しくて、作者にぐっと近づいた気がしますよね。
大きなサイズや小さなサイズで、作家さんが悩んだりしている足跡もわかる気がします。
クレセント・ムーンは、絶版になったんですね(淋)
ポストカードを見た事はあるのですが・・・
来年の夏に、絵本館行けるといいなぁ〜
Posted by noel at 2008年10月03日 21:05
ご無沙汰です♪。
私が「雨木」にお邪魔するきっかけになったのが
バーニンガムでしたねえ。
ワハハからしみじみまで ほんとに幅の広い作家さんですね。 夫はバーニンガムの描く動物が大好きです。
愛にあふれてますよね。
長生きして これからもドンドン新作だしてほしい作家さんです!

信州の美術館ですが kmyさん諏訪の「小さな絵本美術館」にはいかれたことありますか?
ばばばあちゃんシリーズのさとうわきこさん運営の美術館ですが 片山 健やスズキコージ、フィッシャーなど魅力的な展示会が開かれます。庭も素敵だし ティールームのケーキも絶品です・・・。

kmyさん好みの美術館だと思いますよー。すでに来館済みかしら。

怪我の様子はどいうでしょう?
母親が動けないと家はなかなか大変でしょう?
この際 母のありがたみを家族さんにたっぷり味わってもらいましょう?  お大事に!
Posted by めぐりん at 2008年10月04日 09:46
noelさん
ちひろ美術館も数回行きました。ちひろの絵よりも他の原画を楽しみにしていたりして。
広々としていて、子どもたちも楽しめる、素敵なところだと思います。
今回は時間がなくて行かなかったのですが、安曇野の絵本館めぐりは楽しいものです。
原画でその作業のあとを辿って、想像したりするのはとても楽しいですし、印刷されてしまうと、どんな質感絵の具を使われ入るのか、重ね方はどうなのかということはわからなくなってしまいますが、そういう細かい部分がわかるのがとても楽しいものですよね。
「クレセント・ムーン」、もう一度見たいのですが、買うかも悩んでいます。
図書館で取り寄せ貸し出ししてもらって、一度見てみようかな、と思っています。



めぐりんさん
バーニンガムの縁というのもいいものですよね♪
『アルド』の原画が見れて本当によかったです。バーニンガムの絵はうまいとか、凄いとかというより、暖かく染み入る感じです。味のある絵。

小さな絵本館、めぐりんさんも行かれたことがあるのですね。では、意外とそちらですれ違っていたりして。リンゴ畑のなかにある、かわいい建物ですよね。
実は独身時代、そこから10分くらいのところに住んでいたことがあるのです。そんなに頻繁にいくことはなかったのですけど。
わかりにくいところにあって、「発見」という感じの美術館でした。
絵本の美術館って、どれもこれもなんでこんなに素敵なのだろう、と思います。
隠れ家的でのんびりできる、そんな感じで。

怪我はだいぶよくなりました。ありがとうございます。明日再度医者にいってレントゲンを撮ってもらいます。
Posted by kmy at 2008年10月05日 11:18
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